
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、退院してからについて考えましょう。

地域の仕事では?

「地域で患者が生き生きと暮らす」ことについて考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
「退院してからが本番」。
この言葉は現場の合言葉でありながら、組織として支える仕組みが整っていない病院も少なくありません。
再入院を防ぎ、地域で患者が生き生きと暮らすためには、管理職が「退院支援の仕組み化」を主導する必要があります。
本記事では、エビデンスと実践事例をもとに、管理職が今すぐ仕込むべき3つの戦略を紹介します。
退院してからが“空白期間”になる理由――リハビリの断絶が生むリスク
退院を「ゴール」と捉えてしまうと、患者のリハビリ成果は一気に失速します。
実際、退院後3か月以内に再入院する患者のうち約40%が“リハビリ継続中断”を理由に挙げていると報告されています。
この背景には、
- 退院直後のフォロー体制の希薄さ
- 医療・介護間の情報共有の分断
- リハビリ職の**“退院後の支援責任”の曖昧さ**
が存在します。
特に管理職視点で重要なのは、退院支援を組織的なフローに落とし込めているかという点です。
現場の善意や担当者の努力に依存する支援体制は、持続しません。
退院支援の「仕組み化」こそが、再入院リスクを抑え、リハビリ部門の社会的価値を高める鍵になるのです。
管理職が今すぐ仕込むべき3つの仕組みとは
ここからは、管理職がすぐに導入できる3つの実践的仕組みを紹介します。
いずれもエビデンスと現場の成功例に基づく再現性の高いモデルです。
【① 退院前リハ×地域リハの“接続カンファレンス”】
退院前に、在宅サービス担当者・ケアマネジャー・訪問リハスタッフを交えた「引き継ぎカンファレンス」を実施する仕組みです。
研究では、この取り組みにより再入院率が20〜30%低下したことが報告されています。
また、カンファレンスを形式化(チェックリスト・記録共有)することで、スタッフ間の情報格差が減り、退院直後の混乱を防ぐことができます。
【② “退院後2週間”フォロー制度の仕組み化】
退院後2週間は、生活環境に適応できるかの「ゴールデンタイム」。
この期間にフォローコールや訪問確認を行うことで、転倒・再入院・うつ傾向のリスクが有意に減少することが知られています。
管理職としては、
- 退院患者リストを週次で抽出
- 2週間後のフォロー担当者を自動割り当て
- フォロー内容を電子記録化し、地域へフィードバック
といった“定常ルーチン”に落とし込むことがポイントです。
【③ 継続リハビリを支える「自立支援アプリ/動画教材」導入】
ICTを活用したリハビリ継続支援も、近年注目を集めています。
国内では、理学療法士監修の動画教材や、自主トレーニングアプリ(例:「リハぷら」「リモリハ」など)が活用され、在宅リハ継続率が1.5倍に向上した報告があります。
患者が「できる・わかる・続けられる」環境を提供することは、再入院予防だけでなく、病院ブランドの差別化にもつながります。
仕組みを動かすチーム設計とリーダーシップ戦略
仕組みは作って終わりではなく、現場が動く仕組み=マネジメント設計が必要です。
🔹1. 「退院支援係」の役割を明確化
専任担当者を設置し、病棟〜地域リハ間の情報を一元管理。
属人化を防ぎ、誰でも引き継げる「業務設計書」を整えることが理想です。
🔹2. チームの“関与度”を高める仕掛け
週次カンファレンスで退院後フォローの成果を共有し、スタッフが「自分の支援が患者の生活を変えた」と実感できる仕組みをつくること。
行動経済学の観点では、この“フィードバック可視化”がスタッフモチベーションを高めることが証明されています。
🔹3. リーダー自身の「在宅理解」を深める
地域包括ケア会議への参加や訪問リハへの同行など、管理職が自ら現場を体験することが、組織文化を変える第一歩です。
管理者が「地域を知らずに退院支援を語るな」という現場の声に応える姿勢が、チーム全体の信頼を高めます。
まとめ
退院支援は、病院の出口ではなく、地域医療への入り口です。
管理職が次の3つの仕組みを整えることで、
患者の再入院を防ぎ、チームの働きがいを高め、病院経営にも好循環をもたらします。
- ✅ 退院前カンファレンスで“接続”をつくる
- ✅ 退院後2週間フォローで“習慣化”を支援する
- ✅ ICT活用で“継続”を支える
「退院してからが本番」を合言葉に、リハビリ現場の価値を“生活の場”へ広げる。
それが、これからのリハビリ管理職に求められる最重要ミッションです。

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