
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、就職者に選ばれる環境について考えたいと思います。

ただ、臨床をしてもらうだけではダメ?

就職者側が何を求めているのか、提供できるのか考えて ましょう!
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
現在、リハビリ専門職の採用と定着はますます難しくなっています。売り手市場の中で優秀な人材を確保できても、数ヶ月後には辞めてしまう――そんな現場の悩みを多く耳にします。この記事では、2024年度診療報酬改定による「ベースアップ評価料」の概要を踏まえつつ、単なる賃上げでは解決できない“人材をつなぎ留めるための本質的な戦略”を、3つの視点から詳しく解説します。
賃上げだけでは不十分!リハビリ人材の定着が難しい理由
2024年度の診療報酬改定では、リハビリ専門職を含む医療職の処遇改善を目的として「ベースアップ評価料」が新設されました。この制度により、一定の条件を満たせば、医療機関が職員の基本給を引き上げることに対して財政的な後押しが行われます。
しかし、「給料が上がれば辞めない」という単純な構造ではありません。とくに若手のリハビリ専門職においては、「キャリア形成」や「職場の雰囲気」、「自分の意見が尊重されるか」といった非金銭的な要素が満足度や定着率に大きく影響します。
このため、賃上げは“きっかけ”にはなっても、“決定打”にはなりづらいのが実情です。リハビリ職の人材を本当に引き留めたいなら、待遇だけでなく「働き続けたいと思える理由づくり」が不可欠です。
エンゲージメント向上を支える職場づくり
職員のエンゲージメントとは、「この組織のために貢献したい」という心理的な結びつきです。これを高める職場づくりは、賃上げよりも人材定着に効果があります。
たとえば、毎月1回の1on1ミーティングを実施し、本人の悩みや成長の実感を丁寧に拾う仕組みを導入する医療機関もあります。また、スタッフそれぞれの「強み」をチーム内で共有し、役割分担に活かす取り組みも増えています。
売り手市場のなかでリハビリ専門職を定着させるには、給与だけでなく「働きがい」の創出が重要です。実際、現場でよく耳にするのが以下のような悩みです。
- 「自分の意見が反映されない」
- 「成長の実感が得られない」
- 「チームの一体感が感じられない」
これらの背景には、日常的な対話の不足や、役割の不明確さ、成長支援制度の未整備が挙げられます。つまり、「心理的安全性」が欠けた状態では、どれだけ待遇が良くても職員は離れていってしまうのです。
具体的な取り組み事例
① 1on1ミーティングの導入(週1回10分)
ある回復期リハビリ病棟では、上司と部下が週1回必ず短時間の1on1ミーティングを実施しています。テーマは「今週よかったこと」「困っていること」「今後やりたいこと」など。評価とは切り離した対話を重ねることで、職員のモチベーションが安定し、退職率が2割以上改善しました。
② キャリアパスの可視化
別のクリニックでは、「経験年数×専門性」に応じたキャリアマップを導入。たとえば、3年目で地域ケア会議に参加できる、5年目で後輩教育に携わる、など成長の道筋が見える設計にしています。「今後どんなスキルを身につけたいか」という会話が自然と増え、離職者ゼロを継続中です。
③ チームの理念共有ミーティング(月1回)
全スタッフで**「どんな患者支援が私たちの強みか」を語るミーティング**を月1で開催。普段接点の少ない職種同士が想いを共有することで、横のつながりが強まり、仕事への誇りが高まっています。
このように、**「職場に自分の居場所がある」**と実感できるしくみが、エンゲージメント向上には不可欠です。そしてそれこそが、優秀なリハビリ職を「この職場で続けたい」と思わせる最大の要因になります。
ミスマッチを防ぎ、共感できる人材と出会う採用戦略
売り手市場の中で採用できたとしても、すぐに辞めてしまっては意味がありません。定着率を高めるためには、「採用前のミスマッチ予防」が極めて重要です。
具体的には、自施設の方針や実際の雰囲気を発信する採用ページやSNS、施設見学などが効果的です。さらに、面接の場で価値観や目指す方向性を丁寧に共有することも、ミスマッチ防止に役立ちます。
採用後には、一定期間の“ウェルカムプログラム”を設けて、フォローアップと小さな成功体験を積ませることが、早期離職を防ぐ鍵となります。
まとめ
リハビリ専門職の人材をつなぎ留めるには、「待遇」「職場の関係性」「採用の透明性」の3つをバランスよく整えることが重要です。売り手市場の今こそ、目先の条件だけでなく、「ここで働きたい」「長く貢献したい」と感じてもらえる組織づくりが求められます。今回ご紹介した戦略をぜひ取り入れ、離職に悩まない持続可能な組織運営を実現していきましょう。
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