リハビリ 怒りではなく、理解で動かす:心理的安全性が導く感情知性リーダーシップ

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もんきち
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みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、チームを作るポイントについて考えましょう。

スタッフ
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どうすればいいの?

もんきち
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「怒り」は人を止め、「理解」は人を動かすことについて考えてみましょう。

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

リハビリの現場では、「厳しくしなければ成長しない」と考えるリーダーも少なくありません。
しかし、怒りで動くチームは、長続きしません。
必要なのは“優しさ”ではなく、“理解の力”です。
心理的安全性と感情知性が重なり合うとき、チームは自然と自律し、挑戦する力を取り戻します。

なぜ「怒るリーダー」はチームを疲弊させるのか?

リハビリ現場では、限られた時間と成果を求められる中で、管理職が「つい怒ってしまう」場面が少なくありません。
しかし、“怒りによる指導”は一時的な従順を生むだけで、長期的にはチームの活力を奪います。

心理学的には、怒りの感情は**情動伝染(emotional contagion)**によって職場全体に拡散し、
スタッフが「失敗を避けよう」と防衛的になることがわかっています。
その結果、報告・相談・提案の減少=チームの心理的安全性低下が起こります。

Edmondson(1999)は、「心理的安全性の低いチームでは学習行動が減少する」と報告しています。
つまり、“叱責”は学習と成長のブレーキになりうるのです。
怒りは統制の手段ではなく、チームを閉ざすノイズなのです。


理解で人を動かす「感情知性リーダーシップ」

怒りを抑えるリーダーではなく、感情を理解し活用できるリーダーこそが求められています。
これを支えるのが、心理学者Daniel Golemanが提唱した**感情知性(Emotional Intelligence, EI)**の概念です。

EIは次の4要素で構成されます。

  1. 自己認識:自分の感情に気づく力
  2. 自己管理:感情をコントロールする力
  3. 社会的認識(共感):他者の感情を察する力
  4. 人間関係管理:関係を前向きに維持する力

これらが高いリーダーほど、心理的安全性の高いチームを形成する傾向があります(Carmeli et al., 2009)。
リハビリの現場で言えば、

  • 部下の焦りに共感し、
  • 自身の苛立ちを冷静に整理し、
  • 未来志向の対話を行う。

怒りではなく理解がリーダーの軸になるとき、チームは“守り”から“挑戦”へと変化します。


怒りから理解へ──心理的安全性を高める3つの行動習慣

① 「評価」ではなく「観察」でフィードバックする

「あなたはミスが多い」ではなく、「今日の計画と実施にズレがあったようだね」と事実に基づく言葉を選ぶ。
これにより、相手は「攻撃された」と感じず、改善を自分事として受け止められます。

② 感情を一拍おいて言語化する

怒りを感じたら、“なぜ自分はそう感じたのか”を一瞬立ち止まって考える。
この“間”が、感情知性の発動点です。
管理職が自己管理を示すこと自体が、チームへの教育となります。

③ “問いかけ”で行動を引き出す

「なんでできないの?」ではなく、「どんなサポートがあればうまくいくと思う?」と尋ねる。
心理的安全性を損なわず、内発的動機づけを引き出すことができます。

研究でも、心理的安全性が高いチームでは創造性・生産性・ウェルビーイングが有意に向上すると報告されています(Newman et al., 2017)。
怒りではなく理解が、チームの自己調整と信頼形成を促す鍵なのです。

まとめ

「怒り」は人を止め、「理解」は人を動かします。
感情を知り、扱い、共感するリーダーシップこそ、未来の医療現場をつくる新しいスタンダード。
心理的安全性のあるチームは、叱責ではなく信頼で動く。
それが“怒らないリーダー”が持つ、本当の強さです。

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