リハビリ専門職のためのバランスト・スコアカード活用法|業績評価と質の両立を目指す

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もんきち
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みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、バランストスコアカードについて考えたいと思います。

スタッフ
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ワカラナイ・・・

もんきち
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バランストスコアカードについて見てみましょう!!

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

病院経営において、数字だけで語れない現場の価値をどう評価するかは大きな課題です。とくにリハビリ部門では、患者満足や回復プロセス、スタッフ育成といった非財務的な成果が大きな意味を持ちます。
そこで注目されているのが、**財務だけでなく「顧客満足」「業務改善」「学びの姿勢」など多角的に成果を測定するBSC(バランスト・スコアカード)**の導入です。

この記事では、リハビリ専門職がBSCを活用して、経営にどう貢献できるのかを3つの視点から解説します。

バランスト・スコアカード(BSC)とは?管理会計における役割

リハビリ専門職が経営に貢献するうえで注目すべきフレームワークの一つが、「バランスト・スコアカード(BSC)」です。
これは、従来の財務指標だけに依存する評価手法の限界を補うためにアメリカで開発された管理会計手法で、組織の成果を「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」の4つの視点でバランスよく測定する点が特徴です。

病院経営のように、収益と同時に医療の質や職員の育成が重視される分野において、BSCは理想的なツールです。リハビリ部門においても、「数値化しにくい貢献」を可視化することで、組織目標と現場の取り組みの連動を可能にします。


病院経営におけるBSC活用の具体例

たとえば、ある急性期病院のリハビリ部門では以下のようなBSCの視点で目標管理を行っています。

  • 財務の視点:リハビリ単位あたりの原価、再入院率による費用対効果
  • 顧客の視点:患者アンケートによる満足度スコア、苦情件数
  • 業務プロセスの視点:平均退院までの日数、リハ進行率、退院後のフォロー件数
  • 学習と成長の視点:新人教育の実施率、資格取得者の増加数、カンファレンス出席率

リハビリ専門職におけるバランスト・スコアカード(BSC)活用例

視点戦略的目標主な評価指標(KPI)具体的な施策例
① 財務の視点経営効率の向上と収益性の確保・1単位あたりの収益・部門原価率・回収率・原価計算を用いたサービス改善・診療報酬改定に対応したメニュー再設計
② 顧客の視点患者満足度の向上と紹介患者数の増加・患者満足度調査結果・再来率・紹介件数・患者応対マニュアルの見直し・早期介入体制の強化・退院後アンケートの導入
③ 業務プロセスの視点治療の質と業務の効率を両立・平均在院日数・治療プログラム完遂率・業務改善数・標準化されたプロトコル作成・タスクシフト導入・電子カルテのテンプレート最適化
④ 学習と成長の視点人材育成と組織の能力向上・研修参加率・職員満足度・離職率・キャリアパスの明示化・エンゲージメントサーベイ・OJTとOFF-JTの組み合わせ強化

これらの指標をチームで共有し、「現場がどのように組織の成長に貢献しているか」を可視化することで、職員のエンゲージメントも高まります。BSCは単なる評価ツールではなく、**戦略的な意思決定を後押しする“対話のきっかけ”ともなるのです。


リハビリ専門職がBSCを活用する際の注意点と成功のコツ

ただし、BSCを導入する際に注意すべき点もあります。

まず大切なのは、「やりすぎない」こと。評価が厳しくなりすぎれば、現場は数字だけを追いがちになり、質の低下やバーンアウトを招く恐れがあります。
たとえば、単位数だけを求める文化は、患者本位のケアを犠牲にしかねません。

また、現場と経営陣の対話が不足すると、指標が形骸化するリスクもあります。BSCの成功には、各指標が「何のために必要なのか」をチームで共有すること、そして定期的に見直す柔軟さが不可欠です。

リハビリ専門職は、自らの業務が組織のどこに貢献しているのかを“見える化”し、対話を促進する役割を担うことで、より質の高い医療と持続可能な経営の橋渡しができます。

まとめ

バランスト・スコアカード(BSC)は、リハビリ専門職が病院経営に戦略的に関わるための強力なツールです。
財務だけでなく、患者満足や業務改善、職員の成長といった非財務的価値を**「見える化」して対話を促進し、チームとしての質を底上げする**ことが可能になります。

ただし、指標は目的ではなく手段。やりすぎず、経営状況に合わせて柔軟に使いこなすことが成功のポイントです。
これからの医療現場では、こうした“多面的な評価”を武器に、持続可能なチームづくりを目指しましょう。

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