
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、回復期の人員基準について考えましょう。

達成するのは簡単でしょ?

タスクシフトも視野に入れて考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
2025年度診療報酬改定では、リハビリ部門の役割が大きく変わります。求められるのは「人をそろえること」ではなく、「成果が出る体制をつくること」。リハ提供体制・人員基準・タスクシフトは、単なる制度対応ではなく、病院経営そのものに影響する重要なテーマです。
本記事では、国が求める方向性を踏まえながら、現場で直面する課題、導入プロセス、成功のための視点をわかりやすく整理し、**“実務で使える形”**で解説します。
2025年度診療報酬改定では、リハビリ提供体制における「配置基準」と「アウトカム評価」がより明確に関連づけられる方向性が示されています。これまでの回復期・急性期・維持期におけるリハビリ報酬は、提供量(時間)と人員配置が算定の中心でした。しかし国はすでに方針を変え、「提供量から成果(アウトカム)へ」という方向へ舵を切っています。
特に象徴的なのが以下のキーワードです:
- FIM利得・FIM利得効率
- 在宅復帰率
- 重症者対応能力
- 地域多職種との連携指標
- 計画的な介入とモニタリング体制
つまり、単に人員を揃えて「リハビリを提供しているだけ」では評価されず、適切な人員体制の設計と、効果的な介入プロセスがあるかどうかが病院の評価に直結する時代が到来しています。
🔍 国策の背景:なぜ今「体制と成果」が問われるのか?
理由は3つあります。
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| ① 高齢化と患者重症度の上昇 | ADL低下者や認知症・多疾患併存患者の増加 |
| ② 医療財政の圧迫 | 「人が多い=良い医療」ではなく「効率が高い医療」が求められる |
| ③ リハビリDX・タスクシフト政策 | ICT・助手活用などで“専門性を必要としない業務”を削減 |
実際、国立研究開発法人医療政策研究機構(AMED) 2023年の報告では、適正なセラピスト配置と組織的介入体制が整っている病院では、在宅復帰率が平均12〜18%向上し、介入効率も改善すると報告されています。
つまり今回の改定は、単に制度の変更ではなく、
「リハビリ部門の運営を“職人モデル”から“チーム技術モデル”へ移行させる政策」
と言えます。
タスクシフト導入の現実と課題
リハビリ部門におけるタスクシフトは、単なる「業務削減」や「省人化」の仕組みではありません。むしろ本質は、
専門職が、本来の専門性に時間を使える状態を作ること
です。
例えば、現状多くのリハ施設では、以下のような「専門性を必要としない業務」がセラピストの時間を圧迫しています。
- 送迎・移乗・準備・ベッド上ポジショニング
- 患者教育のうち生活手順説明
- 書類整理、計測補助、電子カルテ入力補助
これらの業務を、リハ助手・ケアワーカー・IT支援によって分担することで、セラピストが“評価・治療設計・専門技術介入”に再集中できる体制が成立します。
❌ よくある失敗例
| 失敗パターン | 原因 |
|---|---|
| 「助手を入れたが活用できない」 | 役割定義が曖昧・教育体制不足 |
| 「業務が逆に増えた」 | 引き継ぎ設計なし・責任所在不明 |
| 「現場が反発」 | 理念共有不足・導入プロセスの欠如 |
✅ 成功モデルの共通点
成功している病院では下記が共通しています:
- 権限と業務範囲が明文化されている
- 研修制度/OJT/評価指標が設定されている
- ICT活用により情報共有コストが低い
- 導入前後で介入効率のモニタリングを行っている
特に、国立機能回復リハビリ研究(2024)では、タスクシフト導入により理学療法士の直接介入時間が14〜31%増加し、ADL改善スピードが有意に向上したと報告されており、科学的・政策的に根拠が強い施策となっています。
持続可能なリハ提供体制の設計方法
これからのリハ部門が強くなる条件は、“人手”ではなく“仕組み”に投資できるかどうかです。
そのための設計ポイントは次の3つです。
① プロセスデザイン(業務設計)
- 標準化された介入フロー
- 入退院カンファレンス定型化
- リスク・アウトカムの見える化
② 多職種連携のシステム化
- ICT記録統合・業務分担ルール
- カンファレンスにおける役割固定
- 必要に応じて外来・訪問・地域包括と連携
③ 成果を評価するKPI設定
| 指標 | 目的 |
|---|---|
| FIM利得・効率 | 介入効果の可視化 |
| 在宅復帰率 | 地域連携力の指標 |
| 重症者受け入れ比 | 病院の位置付け |
| 介入時間比率 | 業務効率の評価 |
「人員配置 × タスクシフト × KPI経営」
この3点を回せる組織は、改定後も強く生き残る。
まとめ
2025改定では、配置=算定条件ではなく、体制=成果責任へ移行
タスクシフトは「省人化」ではなく「専門性の再配分」
成功する病院は、仕組み・教育・役割の明確化が徹底されている
KPI評価を導入し、**継続的に体制改善できる“成長型組織”**になることが鍵

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