
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、ICT活用について考えましょう。

ICTの導入って難しいですよね・・・

評価の属人性、膨大な記録負担、退院後の支援継続について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
回復期リハビリテーションは、患者の「退院後の生活まで支える医療」へと進化しています。しかし現場では、評価の属人性、膨大な記録負担、退院後の支援継続といった問題が依然として存在します。これらの課題を解決し、より質の高いリハ医療を実現するための鍵――それがICT活用です。本記事では、回復期医療のDXを支えるAI評価・自動記録・遠隔支援の現状と未来、導入成功のポイントを解説します。
なぜ回復期リハにICTが必要なのか?背景と根拠
回復期医療は、早期退院・自立支援・地域生活まで連続した支援を行うことが求められる領域です。しかし現場では、
- 記録作業による業務負担
- 多職種連携の情報共有遅延
- 客観的な評価指標の不足
- 退院後のフォロー困難
といった課題が蓄積しています。
厚生労働省は2025年以降の医療・介護一体改革に向け、医療ICT・標準化されたデータ連携(HL7 FHIR対応)を推進しています。また研究でも、ICT導入により**最大27〜52%業務削減効果(Yokoi et al., 2022)**が報告されています。
つまりICTは「便利なオプション」ではなく、これからの回復期医療の前提条件になりつつあるのです。
ICT活用の3つの柱 — AI評価 / 自動記録 / 遠隔支援
① AI評価:主観から客観へ
AI歩行解析、姿勢推定モデル、表情・動作の行動認識など、AI技術は「評価の標準化」と「可視化」を実現します。
例)
- 歩行動画→歩行周期・ストライド・対称性を自動算出
- 筋電・加速度センサー→リハ効果の推移分析
研究では、AI推定データがセラピストの臨床評価と**一致率87%以上(Morita et al., 2023)**という報告もあり、臨床利用フェーズはすでに始まっています。
② 自動記録:データ入力から解放される
センサー・電子カルテ・アプリを連携することで、
- vital記録
- リハ実施量
- 歩行距離
- 生活動作量
などのデータが自動収集→自動記録されます。
これにより、セラピストの記録時間は平均36〜50%削減され、患者対応時間が増加した事例が複数報告されています。
③ 遠隔支援:病院→地域・施設→自宅までつながる
地域包括ケアの流れでは、退院後のリハ支援が重要です。
ICTにより、
✔ ビデオリハ指導
✔ 数値測定データ自動共有
✔ AIモニタリングによる状態変化検知
が可能となり、再入院防止や継続支援の仕組み化が進んでいます。
ICT導入を成功させる方法— 仕組み・人・評価の3点セット
ICT導入は、「ツール導入=成功」ではありません。
成功する組織の共通点は次の3つです。
① ワークフロー適合型導入
現状業務を可視化し、「置き換え」「自動化」「連携化」のフェーズに分ける。
② 現場教育とチーム文化づくり
ICT導入初期では抵抗が起きやすいため、
- 研修制度
- ICTリーダー配置
- 成果可視化フィードバック
が鍵となります。
③ KPI設定とPDCA
例)
- 記録時間削減率
- ADL改善効率(FIM効率)
- 退院後フォロー継続率
指標を運用しながら、ICT活用を進化させる文化が必要です。
✨要約・まとめ
回復期医療は、患者の生活復帰と社会参加を支える領域です。ICT活用は、評価の精度向上、業務効率化、地域支援の継続という課題を同時に解決します。
AI評価、自動記録、遠隔支援。この3本柱は、回復期医療をデータ駆動型・患者中心型に進化させる重要な仕組みです。

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