
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、運営戦略について考えましょう。

私たちはリハビリをすればいいんじゃないの?

回復期病棟が直面する課題と、成功施設が採用しているバランス設計の方法について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
回復期リハビリテーション病棟の運営は、ただ入院患者を確保し、リハビリ単位を提供すれば良いわけではありません。
近年、診療報酬制度や地域包括ケアの方向性により、**「稼働率・在宅復帰率・単位獲得数の3軸で成果を設計する視点」**が重要になっています。
この記事では、回復期病棟が直面する課題と、成功施設が採用しているバランス設計の方法を、学術データと実践知を交えて解説します。
回復期リハ病棟における3指標の意味と役割
回復期リハビリテーション病棟の運営は、単に患者を受け入れ、リハビリを提供するだけでは成立しません。
診療報酬制度上の基盤となる指標は次の3つです。
| 指標 | 意味 | 病棟経営への影響 |
|---|---|---|
| 稼働率 | 病床がどれだけ稼働しているか | 病院収益の基礎となる固定収益 |
| 在宅復帰率 | 自宅や地域生活への復帰割合 | 基本報酬・入院料算定要件・地域連携評価 |
| 単位獲得数 | 1人が獲得したリハビリ算定単位数 | 変動収益(技術料)の増減に直結 |
特に、在宅復帰率は制度上の“核”。
在宅復帰率が基準を下回ると、入院料が算定できず、経営に大きな影響が生じます。
国内研究でも、「高い在宅復帰率と高単位提供は相関する」と報告されており(Murata et al., 2023)、量(提供単位)と質(ADL・退院先)の両立が求められる時代に入っています。
バランスを崩すと現場に何が起きるか?
3つの指標は互いに関連しており、どれか1つだけを追求すると、他が崩れる構造です。
❌例:単位だけ追い続けた病棟
- 訓練提供は最大化
- しかし退院調整が遅れ、在院日数が延長 → 回転率悪化 → 稼働率低下
結果、「頑張って動いたのに病棟収益は伸びない」という矛盾が発生。
❌例:稼働率だけ優先した病棟
- 長期管理目的の患者を多く受け入れる
- その結果、ADL向上や在宅復帰が困難 → 算定要件に影響
「入れることが目的」になり、回復期リハ本来の成果が下がる典型例です。
❌例:在宅復帰率だけを重視した病棟
- 早期退院を急ぎすぎる
- 生活期支援の受け皿不足 → 再入院リスク・利用者満足度低下
研究によれば(厚労省データ 2024)、退院判断が早すぎる病院は地域医療費が増加する傾向があり、制度的にも問題視され始めています。
成功する病棟の仕組み設計:数値改善の具体策
では、3指標を両立できている病棟は何をしているのか?
成功例に共通するのは**「数値で動く運営」と「プロセス設計」**です。
✔①データで管理する
- 患者属性×疾患別アウトカム
- FIM効率/提供単位/退院先の相関分析
- 在院日数予測アルゴリズム
AI・BIツールを用いる施設では、入院時点で退院難易度を予測し、介入戦略を変える仕組みが構築されています。
✔②チームの役割を明確化
| 役割 | 目標 |
|---|---|
| 医師 | 退院可否判断・治療方針 |
| PT/OT/ST | ADL・歩行・認知・嚥下改善 |
| SW | 家族調整・地域資源連携 |
| 看護 | 生活自立支援・モニタリング |
成功病棟では「リハビリ=訓練室だけで進むものではない」と認識され、病棟全体でADL支援が進んでいます。
✔③在宅復帰の「成功ライン」を可視化
- 退院基準の共有
- 家屋調査の早期介入
- 多職種カンファレンスの定例化
このループが機能すると、退院時期のブレが減り、稼働率と単位獲得数が安定します。
まとめ
回復期リハ病棟を成功させる鍵は、稼働率・在宅復帰率・単位獲得数のバランス設計にあります。
単位だけ、稼働率だけ、退院率だけ追う運営では、制度要件や運営効率が崩れます。
理想は、データとチーム体制で成果を可視化しながら「質の高い在宅復帰」を最大化するモデル。
これが、回復期病棟が持続可能な価値を提供し続けるための戦略です。

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