リハビリ専門職が変える未来医療:OECDが提言する“デジタル×ガバナンス”のリーダー像とは

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もんきち
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みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、デジタルとガバナンスについて考えたいと思います。

スタッフ
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もんきち
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これからに通用するリーダー像を考えてみましょう!

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

医療の現場が急速に変化する今、私たちリハビリ専門職に求められる役割も大きくシフトしています。
OECDが2023年に発表した医療政策レポートでは、「デジタル活用」と「ガバナンスの再構築」が未来医療の柱とされ、リハビリ職に対しても従来の「治療者」ではなく、**チーム医療を牽引する“リーダー”**としての能力が強く求められています。

本記事では、OECDの最新報告を基に、リハビリ専門職が未来型ヘルスケアの中でどのようなリーダー像を描くべきか、その理論と現場での実践、今後のアクションまでをわかりやすく解説します。

OECDが描く未来の医療像とは?

OECDの提言:変化の時代に求められる医療モデル

2023年にOECD(経済協力開発機構)が発表したヘルスレポートでは、次のような未来の医療像が提示されています:

“Health systems must become more resilient, digital, and governed by stronger leadership to meet future demands.”

医療システムは、将来の需要に対応するために、より弾力的になり、デジタル化され、より強力なリーダーシップによって統治されなければならない。
(OECD Health at a Glance 2023)

つまり、「回復力」「デジタル化」「ガバナンス強化」の3本柱が医療の未来を左右するとされています。

課題:高齢化・人材不足・非効率な医療モデル

多くのOECD加盟国が直面しているのは以下の共通課題です:

  • 高齢化に伴う慢性疾患の増加
  • 医療従事者の供給不足と離職率の上昇
  • 非効率な医療提供体制(紙カルテ、属人的な業務など)

これらの問題に対応するため、OECDは「デジタル活用」と「現場主導のガバナンス改革」を両輪として打ち出しています。

デジタル×ガバナンス:組織運営の中核に

OECDは、単なるIT導入ではなく、「医療現場の意思決定におけるデジタル情報の活用」と「現場主導の統治体制の再設計」が重要としています。ここに、リハビリ専門職の新しい役割が浮かび上がります。


リハビリ専門職に求められる新リーダー像

3つの軸で考える「未来型リーダー」

OECDの報告を読み解くと、未来型のリーダーに求められる3つのスキル軸が見えてきます:

  1. 臨床的専門性:回復・生活支援のエキスパートとしての核
  2. 組織的ガバナンス力:部署間・職種間をつなぐ“橋渡し”能力
  3. デジタル・リテラシー:遠隔リハやAI分析を使いこなす能力

この三位一体の力を持つ人材こそ、OECDが描く「次世代医療人材」のモデルです。


なぜリハ職なのか?

リハビリ専門職は、医師や看護師よりも「患者の日常に寄り添いながら、他職種と協働する」性質が強く、制度・現場の両方に目を向けた中間管理職的視点を持ちやすい立場です。

そのため、次のような役割が期待されます:

  • チーム医療の調整役
  • デジタル導入の現場実装者
  • ガバナンス構造の現場代表

OECDが提言する“戦略的活用”

OECDは、リハビリを「医療の補助」ではなく、「アウトカム改善とコスト抑制の鍵」と捉え、戦略的配置を求めています。リーダーとなるリハ職には、単に技術を持つだけでなく、「システムとしての医療」に貢献する視点が求められているのです。


日本の医療現場での実践に向けて

ガバナンス導入事例:日本でも始まっている変革

例えば、ある地方中核病院では、リハビリテーション部門が「業務改善委員会」の中核を担い、以下のようなプロジェクトを主導しました:

  • 他職種連携会議の定例化と議事録デジタル化
  • リハ職による業務改善提案の実装(例:カルテ記載テンプレート)
  • KPI(患者満足度・再入院率など)をベースにした運営計画の立案

これはまさに、OECDが求める「現場から始めるガバナンス」のモデルです。


デジタルとの接続:実例が示す可能性

  • 遠隔リハビリの導入(特に訪問領域)
     → 患者の移動負担軽減、離島・過疎地への対応
  • AIによる動作解析・効果判定の導入
     → 評価の客観性が向上し、指導の標準化が可能に

リハ職がこれらの技術を使いこなすことで、「デジタル+人間力」が融合したケアが実現されつつあります。


現場アクション:OECD提言を活かすために

リハビリ専門職がこの未来を現実にするためには、以下の3点が鍵です:

  1. 教育カリキュラムの再構築(臨床×マネジメント×ICT)
  2. 中堅層の育成支援とガバナンスの可視化
  3. 経営陣と連携したリーダーの登用制度の設計

まとめ

OECDが描く医療の未来は、「臨床力」「ガバナンス力」「デジタルリテラシー」という3つの力を備えた新しいリーダー像を求めています。

リハビリ専門職は、その多職種連携力や現場感覚を活かし、「医療の質の向上」と「効率性の両立」を牽引できる存在です。
今後は、教育・制度・現場が連携し、こうした人材の育成と活用をどう進めるかが鍵になります。

デジタルと対話、制度と現場をつなぐ「未来のリハビリリーダー」としての第一歩を、今ここから踏み出していきましょう。

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