
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、国際的なリーダー育成基準が浸透しない理由について考えたいと思います。

ややこしいからでしょ?

属人的なものから、どうやって脱却するかを考えてみましょう!
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
医療・リハビリの質を左右するのは「現場を導くリーダー」の存在です。世界保健機関(WHO)は、明確な育成フレームを提案していますが、日本の医療現場、特にリハビリ分野ではその浸透が進んでいないのが現状です。本記事では、国際基準と現場の乖離の背景を解説し、具体的な取り組み事例とともに、現場に根付くためのヒントを探ります。
国際基準の定義とその重要性
WHOは2022年に発表した「Investing in the Power of Nurse Leadership」の中で、医療リーダーに求められる6つのコア能力を定義しました。これは看護職向けの文脈ながら、リハビリ専門職にも共通する重要な観点です。
主な能力項目:
- 倫理的リーダーシップ
- 戦略的意思決定
- 組織マネジメント
- 政策影響力
- チーム構築
- 資源配分と評価
こうした国際基準に則った人材育成は、医療の質向上や多職種連携を促進する鍵でもあります。
なぜ現場では国際基準が浸透しないのか?
多くの医療機関では、リーダー育成が「ベテランを昇格させる」だけに留まっており、体系だった教育プログラムは未整備です。また、OJT偏重でOFF-JTが軽視される傾向があり、学習機会の公平性も担保されていません。
WHOレポートでも、「各国の制度・文化が、リーダー育成の障壁となっている」と指摘されており、日本も例外ではありません。
さらに、日本では「リーダー=すべてをこなす人材」という誤解も根強く、役割分担やフォロワーシップといった概念が育ちにくい環境も課題です。
現場での実践事例と今後の可能性
ある地域病院では、若手スタッフに早期から「役割付きチームリーダー」のポジションを与え、月次フィードバックと年2回のリーダーシップ研修を行う取り組みを導入。これにより、主体性やチームビルディング力が育まれ、定着率も向上したという成果が報告されています。
また、ある大学病院ではWHOの育成指標を参考に独自の育成評価表を設計。PDCAサイクルに基づいた育成方針が定着し、国際認証取得にもつながったといいます。
WHO(世界保健機関)は医療・保健分野のリーダー育成において、以下のような**6つの中核的能力(Core Competencies)**を提示しています(例:『Nursing and Midwifery Global Strategic Directions 2021–2025』などより要約):
- 倫理的リーダーシップ(Ethical Leadership)
正義、公平性、誠実さに基づいた判断ができること。 - 戦略的意思決定力(Strategic Thinking and Decision-Making)
組織の目的に基づいた計画立案・問題解決ができる力。 - 組織マネジメント力(Organizational Management)
人的・財務的資源の効果的運用。 - 政策提言・影響力(Policy Engagement)
制度設計・行政との連携を意識した活動ができること。 - チーム構築と対人関係能力(Team Building and Communication)
- 変革の推進力(Change Management)
現場での改善を継続的にリードできる能力。
こうした実践を積み重ねることで、日本型の「国際基準に適応した育成モデル」が徐々に形になりつつあります。
まとめ
国際基準が浸透しない背景には、制度・文化・資源など複数の要因が絡み合っています。しかし、現場レベルでの実践例は確かに存在し、そこから学ぶことは多いはずです。WHOが示すビジョンに学びながら、日本ならではの育成アプローチを確立することが、これからの医療リーダーの質を決定づけるでしょう。
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