
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、心理的安全性の欠如について考えましょう。

「最近の若手は受け身で…」

“叱る”が常態化した職場では、学びも成長も止まることについて考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
「叱ることが悪い」とは限りません。
ただし、“叱る”が常態化した職場では、学びも成長も止まるのが現実です。
リハビリ現場で若手が「自分の意見を言えない」「失敗を隠す」——そんな空気が広がっていませんか?
その根底には、心理的安全性の欠如があります。
今、求められているのは“叱らないけれど甘くない”、
支援と信頼をベースにした新しいリーダー像です。
本記事では、心理的安全性を軸に「叱らないリーダー」がどのように自律型チームを育てるのかを探ります。
叱らないリーダーが求められる時代背景
かつての医療・リハビリ現場では、「間違いを叱る」「成果を求めて指導する」ことが当然の文化でした。
しかし近年、**若手セラピストの離職要因の上位には「上司への恐怖」や「発言しづらさ」**が挙げられています(日本理学療法士協会調査, 2023)。
スタンフォード大学の心理学者エイミー・エドモンドソン(1999)は、
「心理的安全性とは、チーム内で失敗を恐れずに発言・行動できる信頼の文化」と定義しています。
つまり、叱るより“支える”リーダーがチームを強くする時代へと変化しているのです。
医療現場でも「恐怖」ではなく「安心」がパフォーマンスを引き出すという研究結果が多数報告されています(Carmeli et al., 2010)。
心理的安全性が生む“自律”のメカニズム
心理的安全性が高い職場では、スタッフは「失敗しても大丈夫」という確信を持ち、試行錯誤を恐れなくなります。
これは単なる“優しさ”ではなく、**学習する組織(learning organization)**の基盤となる考えです。
Googleが2015年に実施した大規模調査「プロジェクト・アリストテレス」でも、
“最も生産性の高いチームの共通点は心理的安全性の高さである”と報告されています。
リハビリ現場に置き換えると、
- 「新しい評価法を提案してみよう」
- 「うまくいかなかったケースを共有してみよう」
といった“挑戦”や“改善”が自発的に生まれます。
叱られない環境は甘えを生むのではなく、**「自分の判断で動く力=自律性」**を育てる土壌となるのです。
リハビリ管理職が実践できる「叱らないリーダーシップ」
では、心理的安全性を育むリーダーは何をしているのでしょうか?
研究と実践から導かれる共通点は、次の3つです。
- 「事実」を指摘し、「人格」を否定しない
→ 「なぜできない?」ではなく「どうすればできる?」と問う。
問題の焦点を“行動”に置くことで、相手の自尊心を守る。 - 失敗を共有する文化をつくる
→ リーダー自身が「自分もミスをした」と語ることで、チームが安心して挑戦できる雰囲気を醸成。 - 定期的に“聴く場”を設ける
→ 面談やカジュアルな雑談を通じて、声を拾い上げる。
心理的安全性は“1対1の関係の積み重ね”で育まれる。
リハビリという「人の変化を支える仕事」こそ、人を責めず、共に考えるリーダーが求められているのです。
まとめ
「叱らないリーダー」とは、決して“優しい上司”ではなく、
人を信じ、任せ、成長の責任を共有するリーダーのこと。
心理的安全性は、チームのぬるま湯ではなく、挑戦を支える温度のある空気です。
そこでは若手が「やってみよう」と思い、管理職も「任せてみよう」と決断できる。
リハビリ現場における未来のリーダー像は、
「叱る」から「支える」へ。
心理的安全性を軸にしたこの変革が、現場の笑顔と成果を確実に増やしていくでしょう。

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