
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、未来について考えましょう。

未来?

AI・デジタル化・人材不足——変化の波が押し寄せる中、組織が目指す「未来の形」について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
リハビリ現場は、今まさに転換期を迎えています。
AI・デジタル化・人材不足——変化の波が押し寄せる中、組織が目指す「未来の形」はどこにあるのでしょうか?
その答えの一つが、Purpose-Driven Leadership(目的志向型リーダーシップ)とデザイン思考の融合です。
本記事では、学術的根拠と実践事例をもとに、リハビリ現場が「未来型組織」へ進化するための考え方と具体的ステップを解説します。
リハビリ組織が直面する“未来への壁”とは?
近年、リハビリ現場では「成果は出しているが、成長の実感がない」「方向性が見えない」といった声が増えています。
特に管理職層では、上からの目標達成プレッシャーと、現場スタッフのモチベーション低下との板挟み状態が続いています。
この現象の背景には、目的の希薄化があります。
リハビリの本来の目的は「人の可能性を引き出すこと」ですが、数値目標や効率化に偏ると、スタッフの行動は「やらされ仕事」へと変わってしまいます。
心理学者Bass(1985)のトランスフォーメーショナル・リーダーシップ理論では、リーダーの役割を「ビジョンを示し、人々の価値観を変革すること」と定義しています。
つまり、未来型の組織には、“何をするか”よりも“なぜそれをするのか”を共有する目的志向のリーダーシップが欠かせません。
リハビリ組織が次の時代へ進むためには、**「目的に基づく共感の再構築」**が必要なのです。
Purpose-Driven Leadershipとデザイン思考の融合が生む“創造的共感”
Purpose-Driven Leadership(目的志向型リーダーシップ)は、組織の存在意義=Purposeを中心に据え、メンバーの行動と価値観を統合する考え方です。
これはSimon Sinek(2009)の『Start With Why』の概念に通じ、「Why(なぜ)」から始まる行動こそが、人を動かす根源的なモチベーションになるとされています。
一方で、**デザイン思考(Design Thinking)**は「共感(Empathy)」から始まる創造のプロセス。
スタンフォード大学d.schoolでは、「共感→定義→発想→試作→検証」という循環を通じて、現場の課題を再定義し、ユーザー中心の解決策を生み出します。
この2つのアプローチを掛け合わせることで、リハビリ現場に次のようなシナジーが生まれます。
- 共感(Empathy)×目的(Purpose)=組織の一体感
- 創造(Ideation)×意義(Meaning)=自発的な改革行動
実際、デザイン思考を導入したリハビリ施設では、スタッフ同士が「患者体験」を中心に話し合う文化が生まれ、
目的の再共有が進むことで離職率が低下したという報告(藤井ほか, 2023, 理学療法科学)が見られます。
つまり、目的志向と共感的思考の融合こそが、未来型リーダーの条件なのです。
リハビリ現場における未来型組織の実践ステップ
では、実際にPurpose-Driven × Design Thinkingをリハビリ現場に根づかせるには、どうすればいいのでしょうか?
以下の5ステップが鍵になります。
① Why共有
組織の存在意義を明文化する。「私たちはなぜここにいるのか?」をチームで話し合い、共通の言葉に落とし込む。
② 共創
スタッフ・患者・他職種がフラットに意見を出し合う場を設ける。デザイン思考の「共感セッション」を活用。
③ 実験
新しいアイデアを小さく試す。例:患者体験の見える化、カンファレンスのリフレクション導入など。
④ フィードバック
成功も失敗もオープンに共有。Schön(1983)の**省察的実践(Reflective Practice)**に基づき、「何が学べたか」をチームで言語化する。
⑤ 成長循環
学びを組織の文化に昇華させ、次の挑戦へ。これが“未来型組織”のエネルギー源となる。
これらを実践することで、管理職は“指示する人”から“共に目的を探求する伴走者”へと進化します。
まさに、Purpose-Driven Leadershipとデザイン思考の融合が、**チームを「未来へ導く羅針盤」**となるのです。
まとめ
未来のリハビリ組織を築く鍵は、
「指示で動く組織」から「目的でつながる組織」への転換にあります。
リーダーがPurpose(目的)を軸に、デザイン思考で共感と創造を生み出すことで、
現場はしなやかに変化に対応し、継続的なイノベーションを実現できます。
未来型リーダーとは、“人を動かす”のではなく、“人と共に未来を描く”存在です。

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