みなさん、こんにちは！もんきちです。
今回は、心理的安全性について考えましょう。
心理的安全性が高いとどうなるの？
リハビリチームにおける心理的安全性の重要性と、その構築方法について考えてみましょう。
こんな方にオススメ！
- マネジメント初心者の方！
- 医療管理職の方
はじめに
リハビリ現場では、チーム全員が力を合わせて患者の回復を支えることが求められます。
しかし実際には、「意見を出しにくい」「失敗を恐れて発言できない」という“沈黙の文化”が、学びや改善の機会を奪っていることも少なくありません。
そんな中、注目を集めているのが「心理的安全性」という概念です。
心理的安全性が確保されたチームでは、誰もが安心して意見を言い合い、失敗から学び、挑戦が自然と生まれる環境が育まれます。
本記事では、リハビリチームにおける心理的安全性の重要性と、その構築方法を学術的根拠と実践事例から解説します。
心理的安全性とは何か？リハビリ現場でなぜ必要なのか
心理的安全性（Psychological Safety）とは、「メンバーが報復や恥を恐れずに、自分の考えを安心して表明できる状態」を指します（Edmondson, 1999）。
リハビリ現場では、患者の回復過程においてチーム全員が意見を出し合うことが求められます。しかし、職種間のヒエラルキーや「ミスを恐れる文化」が根強いと、発言が減り、学習機会を失うリスクがあります。
研究によれば、心理的安全性が高いチームは、失敗を「学びの材料」と捉え、結果的に医療ミスの減少・業務効率の向上・職員のエンゲージメント向上につながると報告されています（Edmondson & Lei, 2014）。
つまり、心理的安全性は「チームがより良くなるための燃料」と言えるのです。
心理的安全性がチーム学習とイノベーションを生むメカニズム
Google社の「プロジェクト・アリストテレス」（2016）は、成功するチームの最重要因子として「心理的安全性」を挙げました。
そのメカニズムはシンプルです。
①誰もが意見できる → ②多様な視点が集まる → ③新しい発想（イノベーション）が生まれる。
リハビリ現場でも同様です。
たとえば、理学療法士が「この動作練習をこう変えてみたい」と提案し、作業療法士や看護師が補足意見を出せる環境があれば、従来にはなかった「患者中心のケアデザイン」が実現します。
心理的安全性の高いチームでは、“失敗の共有”が成長のチャンスに変わるのです。
これは単なるメンタルヘルス対策ではなく、チーム学習（Team Learning）とイノベーションを生む構造的要因として重要視されています。
管理職が実践すべき“安心して挑戦できる”職場づくりの方法
管理職に求められるのは、「心理的安全性を意図的に設計する力」です。
そのためのポイントは次の3つです。
- 小さな承認を積み重ねる
成功だけでなく、挑戦したこと自体を評価する文化をつくる。
「やってみよう」と言える空気が生まれます。 - 対話の質を上げる（1on1や振り返りの導入）
リーダーが「傾聴と問いかけ」を意識することで、内省と成長を促す場になります。 - 透明性と一貫性を持つ
判断基準を明確にし、リーダー自身もミスをオープンに語る。
これにより、「上司も人間だ」という共感が生まれ、信頼が深まります。
結果として、チームは挑戦を恐れず、自発的に動くようになります。
心理的安全性は、リーダーの“姿勢”から始まるのです。
まとめ
心理的安全性は、単なる“優しさ”ではなく、チームの生産性と創造性を高める科学的戦略です。
リハビリ現場においても、安心して挑戦できる文化が根づけば、スタッフの学びが加速し、患者への支援の質も向上します。
管理職は「失敗を許す」だけでなく、「挑戦を称える」リーダーシップへと進化することが求められます。
その第一歩は、チームが安心して意見を交わせる“場”をつくることです。
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