
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、「量から質へ」について考えましょう。

質とは?

生活機能、社会復帰、自立支援という成果について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
入院治療は「ゆっくり休む場所」というイメージが過去にはありました。
しかし現代の医療では違います。
治療と同時に機能回復を始めることが当たり前の時代になっています。
その中心にある考え方が、早期リハ開始と入院期間短縮。
これは単なる制度要求ではなく、エビデンスに裏付けられた患者の回復効率を最大化する医療戦略です。
この記事では、その根拠と実践方法を専門職向けに解説します。
なぜ入院期間短縮が求められているのか?背景と政策の方向性
医療現場では近年、**「入院期間短縮」**が確実に進んでいます。
これは単なる医療費削減のための政策ではありません。
背景には、以下の要因が存在します:
✔ 高齢化と医療需要の増加
日本では75歳以上人口が急増し、急性期病院への入院が増加しています。
2025年を境に医療需要がピークを迎えるため、病床回転率の向上は避けられないテーマです。
✔ 医療モデルの変化:治療→生活支援へ
入院期間が長くなるほど、
- 廃用症候群
- ADL低下
- リハビリ効率低下
- 認知機能低下
- 退院後自立度低下
が発生することが明らかになっています。
つまり、長く病院にいること=必ずしも良い結果ではないという認識が世界的に共有されつつあります。
科学的根拠:早期リハはなぜ効果があるのか?
近年、多くのランダム化比較試験(RCT)や多施設研究により、早期リハ開始の効果が示されています。
代表的な根拠:
■ 身体機能改善とADL向上
Schweickert et al., (2009)
人工呼吸管理中の患者においても、48時間以内に早期離床・リハを開始した群はADL自立率が有意に高かった。
■ 入院期間短縮
Avery et al., (2017)
脳卒中患者を対象とした研究では、発症後24〜72時間以内のリハ開始で入院期間が平均4.2日短縮。
■ 再入院率低下・死亡率改善
早期リハは歩行獲得・移動能力回復・社会復帰率の向上と関係しており、
長期予後にも影響することが確認されています。
つまり、早期リハ開始は「短く退院させるための施策」ではなく、「患者の回復効率を最大化する医療行為」なのです。
早期リハを成功させる体制と運用モデル
早期リハを開始するだけでは不十分です。
重要なのは組織全体で仕組み化することです。
必要な構造要素は次の3つ。
✔① 入院直後からの評価フロー
- Barthel Index / FIM
- 入院時スクリーニング
- リスク管理(循環・呼吸・認知)
✔② チーム介入モデル
- 医師:早期離床指示
- リハスタッフ:即日介入
- 看護師:離床支援
- 退院支援部門:初日から退院設計
✔③ マネジメント視点
- KPI:早期介入率/リハ提供量/在院日数
- PDCA:ケース検証、動線改善、多職種カンファレンス
まとめ
早期リハは
✔ 入院期間を短縮し
✔ 廃用を防ぎ
✔ 退院後の生活維持と再入院予防に寄与する
科学的に裏付いた支援モデルです。
医療現場が向かうべき姿は、
「入院期間を短くすること」ではなく、
「短期間で最大の回復を実現すること」。
早期リハと組織的な介入体制こそ、
これからの医療の質を決める重要な鍵となります。

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