
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、臨床の属人化について考えましょう。

経験はなかなか共有できないしね・・・

「個を殺さず、組織力を高める」標準化の考え方について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに|「あの人がいないと回らない職場」は、本当に強いのか?
「この疾患は、〇〇さんに任せておけば安心」
「△△さんが休むと、現場が止まる」
医療現場では、こうした言葉が賞賛として使われがちです。
しかし管理職の視点に立った瞬間、この状態は明確なリスクに変わります。
- 人が育たない
- 再現性がない
- 質が人によってブレる
- 組織として改善できない
その根底にあるのが、臨床の属人化です。
本記事では、
👉 標準化された臨床パスが、なぜ組織を強くするのか
👉 「個を殺さず、組織力を高める」標準化の考え方
を、学術的根拠と現場視点の両面から解説します。
なぜ医療現場は“属人化”しやすいのか
経験と勘が評価されやすい構造
医療、とくにリハビリ領域では、
- 症例経験の多さ
- 感覚的な判断
- 暗黙知(言語化されない工夫)
が高く評価されてきました。
これは専門職として誇るべき文化である一方、
知識や技術が「個人の中」に閉じる原因にもなります。
学術的視点:属人化は医療の質を不安定にする
医療の質管理研究では、
- 標準化が進んでいない組織ほど
- アウトカムのばらつきが大きく
- 教育コストが高い
ことが示されています。
📚 ポイント
- 属人化=熟練者が悪いのではない
- 仕組みが個人依存を許していることが問題
つまり属人化は、
個人の能力の問題ではなく、組織設計の問題なのです。
標準化された臨床パスが組織にもたらす3つの価値
① 臨床の「最低保証ライン」をつくる
臨床パスの標準化とは、
「全員を同じ治療者にすること」ではありません。
- 評価の視点
- 介入の優先順位
- 経過判断の目安
を揃えることで、
👉 誰が担当しても一定水準以上の医療を提供できる
状態をつくることです。
これは患者にとっても、組織にとっても大きな安心材料です。
② 若手が育つスピードが加速する
標準化された臨床パスは、
教育ツールとしても非常に強力です。
- 何を見ればいいのか
- どこでつまずきやすいのか
- 次に考えるべきことは何か
が可視化されるため、
若手は「考え方の地図」を持った状態で臨床に臨めます。
学習科学の分野でも、
👉 明示的なフレームワークが学習効率を高める
ことは繰り返し示されています。
③ 管理と改善が「数字と言葉」でできる
属人化された臨床では、
- 何がうまくいっているのか
- どこに課題があるのか
が見えません。
一方、臨床パスが標準化されていれば、
- 逸脱ポイント
- 予定と実績の差
- 成果が出たプロセス
を組織知として蓄積できます。
これは、
👉 現場改善と経営判断をつなぐ共通言語
になります。
標準化を“失敗させない”ための実践ポイント
「自由を奪う」と感じさせない設計
標準化が反発を生む最大の理由は、
「縛られる」「考えなくてよくなる」という誤解です。
成功している組織では、
- 標準は「土台」
- 応用・工夫は歓迎
- 逸脱理由を共有する文化
がセットで存在します。
👉 標準化+振り返り=進化する組織
現場を巻き込む作り方が重要
トップダウンで作られた臨床パスは、
現場に根づきません。
- 現場の声を拾う
- 試行期間を設ける
- 定期的に更新する
このプロセス自体が、
組織学習の場になります。
まとめ|標準化は「個を殺す仕組み」ではない
標準化された臨床パスは、
- ベテランの価値を下げるものではない
- 創造性を奪うものでもない
むしろ、
- 経験を共有財産にし
- 若手を早く育て
- 組織として強くなる
ための土台です。
「誰かが頑張らないと回らない組織」から、
「誰がいても回り、成長し続ける組織」へ。
臨床パスの標準化は、
医療の質と組織の未来を同時に守る戦略なのです。

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