なぜ医療現場だけが「個人の頑張り」に頼り続けるのか?── 他産業に学ぶ、疲弊しない強い組織の作り方

アウトプット
Screenshot
もんきち
もんきち

みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、人が入れ替わっても成果が出る組織について考えましょう。

スタッフ
スタッフ

得意分野は任せたらいいんじゃないの?・・・

もんきち
もんきち

他産業がどのように「仕組み」で組織を強くしてきたのかについて考えてみましょう

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに|「頑張っているのに、なぜ楽にならないのか」

医療現場では、こんな言葉が日常的に使われています。

  • 「あの人がいないと回らない」
  • 「忙しいけど、現場で何とかするしかない」
  • 「医療は特別だから、一般企業と同じにはできない」

しかし、本当に医療だけが“特別”なのでしょうか?
航空、製造、IT、物流といった他産業も、かつては「熟練者の勘」「個人の努力」に依存していました。
それでも今では、人が入れ替わっても成果が出る組織へと進化しています。

本記事では、

  • なぜ医療現場は個人依存から抜け出せないのか
  • 他産業がどのように「仕組み」で組織を強くしてきたのか
  • それを医療にどう応用できるのか

を、学術的根拠と実践視点を交えて解説します。


なぜ医療現場は「個人の頑張り」に依存してしまうのか

■ 構造的な理由①:専門職文化と暗黙知の蓄積

医療は高度な専門性を要する領域です。
その結果、

  • 経験=価値
  • ベテラン=安心
  • マニュアル化=画一化・質低下

という認識が根強く残っています。

実際、医療安全研究では「暗黙知への過度な依存は、エラー再発率を高める」
ことが報告されています(Reason, 2000)。

■ 構造的な理由②:成果が“見えにくい”評価制度

医療では成果が

  • チームで生まれる
  • 長期的に現れる
  • 数値化しにくい

という特徴があります。

その結果、

  • 「忙しさ」
  • 「残業」
  • 「穴埋め対応」

といった行動量が、暗黙の評価指標になりがちです。


他産業はどうやって「個人依存」から脱却したのか

■ 製造業:標準化とカイゼン文化

トヨタ生産方式に代表される製造業では、

  • 作業手順の可視化
  • 異常の即時共有
  • 改善を前提とした標準化

が徹底されています。

重要なのは、標準は“守るため”ではなく、“良くするため”に存在するという考え方です。

■ 航空業界:チェックリスト文化

航空業界では、熟練パイロットであってもチェックリストを使用します。

研究では、チェックリスト導入により重大インシデントが30%以上減少したと報告されています(Gawande et al., 2009)。

これは医療(手術安全チェックリスト)にも応用され、医療安全向上の有効性が実証されています。

■ IT業界:人ではなく「仕組み」を改善する

IT業界では障害発生時、

  • 誰がミスしたか
    ではなく
  • なぜ仕組みがそれを防げなかったか

を徹底的に検証します(Blameless Postmortem)。

この文化が、学習する組織を生み出しています。


医療現場に応用できる「強い組織」の作り方

■ ①「できる人」を基準にしない

属人的なエース基準ではなく、

  • 新人でも8割の成果が出せる仕組み
  • 誰がやっても同じ判断に近づく設計

を目指します。

■ ② 判断を個人から“構造”へ移す

  • 臨床パス
  • 判断フローチャート
  • 情報共有ツール

を用いて、「迷わない環境」を整えることが重要です。

■ ③ 頑張りではなく“再現性”を評価する

評価軸を

  • 忙しさ → 仕組み改善への貢献
  • 個人成果 → チーム成果
  • 経験年数 → 学習と共有

へとシフトすることで、組織は持続可能になります。


まとめ|「人が優秀」な組織から「組織が優秀」な医療へ

医療現場が苦しいのは、
人が足りないからでも、意欲が低いからでもありません。

「個人の頑張りで成り立つ構造」が限界に来ているのです。

他産業がすでに実践しているように、

  • 標準化
  • 可視化
  • 学習する仕組み

を取り入れることで、
医療も「安心・安全・高成果」を同時に実現できます。

これからの医療に必要なのは、
ヒーローではなく、仕組みを設計できる人材です。

コメント