
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、栄養管理・口腔ケア・リハビリテーションの連携について考えましょう。

そんな加算あった?

該当加算の算定率はわずか9%!なぜ現場に浸透しないのか考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
近年、栄養管理・口腔ケア・リハビリテーションの連携は、医療現場で重要性が高まっています。しかし、その効果が学術的に示されているにも関わらず、該当加算の算定率はわずか9%。なぜ現場に浸透しないのか、そして今動くべき理由とは何か。本記事では、制度背景、臨床効果、経営的メリット、導入戦略を整理し、院内運用のヒントを提示します。
取得率が9%にとどまる理由と背景
リハビリ・栄養・口腔の連携加算は、診療報酬上「患者の回復と退院支援に寄与する加算」として位置づけられている。しかし、算定率は全国で約9%。
制度導入から一定期間が経過しているにも関わらず普及が進まない理由は次の3点で整理できる。
❌① 運用フローの不在(仕組み化されていない)
加算要件は明確だが「誰が、いつ、何をするか」が明文化されていない病院が多い。
→ カンファレンスの開催、スクリーニング評価、栄養ケアプロセスなどが属人的運用になりやすい。
❌② 多職種間での情報共有システムが不足
評価指標(食形態、必要栄養量、嚥下評価、FIM、BIなど)がカルテ上で分散しやすく、チーム医療の情報が連携されないことが阻害要因となる。
❌③ 効果が「見える化」されていない
栄養・口腔・リハビリの連携は臨床研究で効果が示されているにも関わらず、現場では成果と経営効果の理解が追いついていない。
しかし実際には、連携は入院期間短縮・在宅復帰率向上・合併症減少に寄与することが多くの文献で示されている。
連携がもたらす臨床アウトカムと経営メリット
栄養状態とリハビリ効果には相互作用があることが研究で示されている。
📌エビデンス例
- 栄養介入+リハビリを併用した患者は、ADL改善速度が単独介入群より有意に高い
- 口腔ケア実施患者は誤嚥性肺炎発症率が40〜60%減少
- 嚥下リハ介入と栄養管理を組み合わせた患者は、退院先が自宅になる割合が増加
これらは臨床効果だけでなく、病院経営に直結する。
💹経営メリット
| 項目 | 連携による効果 |
|---|---|
| 入院期間 | 合併症予防・介入加速で短縮 |
| 再入院率 | 栄養・口腔改善により低下 |
| 退院支援 | 自宅復帰率・地域連携評価上昇 |
| 加算取得 | 直接的収益増加+包括評価改善 |
つまりこれは**単なる加算取得ではなく、「患者成果を最大化する働き方設計」**である。
算定に向けた組織体制・運用設計モデル
算定病院に共通するのは、人ではなくプロセスが仕事をする状態を作れている点である。
📌導入ロードマップ
| フェーズ | 取り組み |
|---|---|
| ①仕組みづくり | スクリーニング基準・フロー作成・担当定義 |
| ②ICT整備 | 評価統一・カルテ連携・電子チェック表 |
| ③運用開始 | 週次/病棟単位の多職種カンファ |
| ④成果可視化 | 栄養改善率、誤嚥性肺炎減少率、退院先比率等 |
| ⑤拡張と自走化 | 研修体制・標準化・地域連携への展開 |
重要なのは、**「加算のために動く」ではなく「成果を生むチームとして統合する」**ことである。
まとめ
リハビリ・栄養・口腔の連携加算は、単なる算定項目ではなく、患者アウトカムと医療経営を両立する仕組みである。
今後の診療報酬改定では、「連携している病院」が評価され、「連携できない病院」が取り残される構図が加速するだろう。
動き出すタイミングは――今である。
加算は結果であり、連携は文化である。
その文化を作れる病院が、次の医療モデルを先導していく。

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