
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、ダブルチェックの落とし穴について考えたいと思います。

ダブルチェックをすればいいんじゃないの?

ダブルチェックをしているという安心感で形骸化することに注意ですね!
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
医療現場での「うっかりミス」は、患者の安全を脅かす深刻な問題です。その防止策として多くの医療機関で導入されているのが「ダブルチェック」です。しかし、このダブルチェックが正しく機能していないケースも少なくありません。この記事では、医療従事者が押さえるべきダブルチェックの重要性と注意点、そして形骸化を防ぐための具体策について解説します。
なぜ今、医療従事者にダブルチェックが重要なのか
医療現場では一つのミスが患者の命に直結することがあります。そのため、ヒューマンエラーを未然に防ぐ仕組みとして、ダブルチェックは不可欠なプロセスです。
たとえば、薬剤投与の際に「名前・薬剤名・用量・投与経路・投与時間」などを二人以上で確認する場面は、日常的に見られる光景です。しかし、近年の人員不足や業務過多の影響により、こうしたチェック体制が「形式だけの確認」に陥ることが少なくありません。
日本医療機能評価機構の報告によれば、投薬ミスの要因の約60%にダブルチェックの不備が関与しているとのデータもあり、改めてその重要性が見直されています。
ダブルチェックが形骸化する理由とそのリスク
どれだけ仕組みが整っていても、ダブルチェックが「やったことにするだけ」の状態では意味がありません。形骸化が起こる理由には、以下のようなものがあります。
- 業務の忙しさによる“ながら確認”
- 経験年数による「慣れ」や「油断」
- 形式的な声かけで本質的な確認が行われていない
こうした状況では、仮に2人で確認したとしても、本来のミス防止という目的を果たせなくなります。実際にあった事例として、同姓同名の患者に誤って別の薬を投与してしまったケースがあります。チェックはされたが、思い込みによってミスに気づけなかったのです。
このような「すり抜けるミス」は、チェックが機能していない典型例といえます。
ダブルチェックを効果的に機能させるための具体策
ダブルチェックを形だけに終わらせないためには、いくつかの工夫が必要です。
まず有効なのが、チェックリストの活用や声に出しての確認(リードバック)です。「指差し呼称」や「Wチェックのローテーション」などの実践も効果的です。これにより、自動化された確認から脱し、“注意を向ける”確認に変えることができます。
また、チェックの質を高めるには、チーム内の心理的安全性の確保が重要です。上司や先輩に対しても「それ、間違っていませんか?」と指摘しやすい環境が、ミスを防ぐ最後の砦となります。
さらに、研修やOJTの場面では、実際のミス事例を教材とすることで、形だけでない“意味のある確認”を体験的に学ぶことができます。
まとめ
ダブルチェックは、医療現場における最後のセーフティネットです。しかし、形骸化してしまえば意味をなさず、重大な医療ミスにつながる恐れがあります。医療従事者一人ひとりがその意義を再確認し、チームとしての連携を深めながら、「本当に効果のあるチェック」を実践することが求められています。今日から現場で実行できる工夫を取り入れ、医療の安全性を一歩ずつ高めていきましょう。
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