
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、回復期病棟の算定要件について考えましょう。

回復期って制度が厳しいしややこしいですよね・・・

今回は最低限の算定要件についておさえています。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
回復期リハビリテーション病棟の運営管理において、“算定要件”は単なる書類手続きではなく、病院の質と収益性を左右する重要な指標です。2025年度診療報酬改定に向け、制度整備・評価強化が進む今、管理職として把握すべき算定要件の全体像と実務ポイントを整理します。人員、患者構成、評価データ、地域連携――それぞれが“病棟力”を支える柱です。
制度背景と改定動向:なぜ算定要件が厳格化されているのか
医療政策はいま、「量」よりも「質」「成果」に重きを置く方向へと明確にシフトしています。特に回復期リハビリテーション病棟においては、入院期間の短縮・在宅復帰率の向上・機能改善の可視化が求められており、これに伴って入院料の算定要件も厳格化されています。
例えば、制度文書上では「当該病棟に常時 8割以上 の患者が“回復期リハビリテーションを要する状態”であること」を施設基準に定めています。 また、最近の改定では、入棟時・退棟時の Functional Independence Measure(FIM)測定や、2週間に1回以上の定期的な評価が算定要件として明記されています。このような要件強化は、サービスの質を構造として担保しようという政策の意図を反映しています。
つまり、回復期リハビリ病棟が今後も安定して算定を継続するためには、制度を正しく理解し、構造-過程-結果(アウトカム)を意識した運営に移行する必要があります。
主な算定要件の具体解説:人員配置・重症者割合・評価指標など
回復期リハビリ病棟入院料には「1~5」までの区分があり、それぞれに施設基準や実績要件が設定されています。例えば、算定区分「入院料1」をとるためには、以下のような要件があります。
- 専任の医師1名以上、専従理学療法士3名以上・作業療法士2名以上・言語聴覚士1名以上・専任管理栄養士1名以上・在宅復帰支援を担当する専任社会福祉士1名以上の常勤配置。
- 「回復期リハビリテーションを要する状態」の患者が常時入院患者の8割以上を占めること。
- 入棟時・退棟時のFIM測定および2週間に1回以上の定期評価を実施し、診療録に記載すること。
- 重症患者(入棟時FIMが55点以下など)が新規入院者の3割以上であること(特定区分の場合)。
- データ提出加算の届出、GLIM基準による栄養評価、口腔管理体制などが要件化されつつある。
これら条件を欠いたまま「算定します」と届け出てしまうと、後日返戻や算定取り消しのリスクがあります。管理職としては、これら要件を“チェックリスト”化して施設運営に組み込むことが急務です。
管理職が現場で押さえておくべき実務と組織体制整備のポイント
算定要件を満たすだけでなく、それを運用・維持するためには、以下のような組織・運営上の視点が重要です。
- 配置体制の組織設計
専従・専任というキーワードが増えており、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・栄養士・社会福祉士の役割分担と配置状況を常にチェック。非常勤を常勤換算できる数値基準もあるため、勤務時間・体制も確認しておく。 - 評価・データ取得のワークフロー整備
FIMをはじめとする評価を“如何に定期的・正確に測るか”が問われます。院内研修・評価者への教育・記録様式・データ管理体制を整備することがカギです。 - 重症患者対応・患者層設計
重症者割合などの実績要件を満たすためには、入院患者の選定・転院・紹介ルートの構築が必要です。経営視点では「どの患者をいつ入棟させるか」もリスク管理の対象となります。 - 地域・在宅連携と退棟後フォロー
入棟から退棟・在宅までを視野に入れた運営が評価される時代です。退院前訪問・地域ケアマネ連携・栄養・口腔・訪問リハとの連携体制整備も重要要件の流れにあります。 - 継続的体制チェック・改善文化の構築
算定要件は一度クリアして終わりではありません。「実績指数」「退院患者数」「FIM改善値」「在院日数」などを定期的にチェックし、改善サイクルを回せる組織風土を作ることが経営安定につながります。
管理職として、これらを“制度の対応”だけでなく“運営改善の視点”から捉えることで、病院としての機能強化・持続可能な経営基盤の構築に貢献できます。
まとめ
回復期リハビリテーション病棟入院料の算定要件を確実に満たすことは、病棟の“運営基盤”を強化することと同義です。要件をクリアする組織体制を構築し、さらにそれを継続的に改善できる文化を作りましょう。そうすれば、制度改定を“対応の負担”ではなく、病院成長の“チャンス”として活かすことができます。

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