
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、一番身近なPDCAについて考えたいと思います。

PDCAっていつもしてるよ?

臨床でもよく使うPDCA!マネジメント分野でもしっかり使えますよ!
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
リハビリ専門職の管理職にとって、現場の課題解決は日々の大きなテーマです。しかし、感覚的な判断では限界があります。そこで注目したいのが、PDCAサイクルを活用した「仕組みで解決する思考法」です。本記事では、PDCAの基本と現場での具体的な使い方、さらに実際の導入事例をご紹介します。
リハビリ現場の課題とは?管理職が抱える悩み
リハビリテーション部門の管理職は、患者ケアだけでなくスタッフのマネジメント、部門間連携、業務効率の最適化など多岐にわたる課題に直面します。
特に多いのが以下の3つです:
- スタッフの教育が属人的になっている
- 情報共有が不十分でミスや非効率が生まれる
- 患者満足度の向上に取り組んでも、効果が見えにくい
これらの課題を「場当たり的」に処理していると、管理職自身が疲弊してしまいます。だからこそ、今求められるのは「感覚」ではなく「仕組み」で現場を動かすこと。その一つの強力な方法が、PDCAサイクルの導入です。
PDCAの基本とリハビリ職場での応用方法
PDCAサイクルとは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)」の4段階で構成される、継続的改善の枠組みです。
リハビリ職場での応用例:
- 教育の場面:スタッフ教育の計画(Plan)を立て、OJT実施(Do)、フィードバックと評価(Check)、改善点を次に活かす(Act)
- 業務の場面:記録業務の見直し計画を立案し、実践→効果測定→改定へと繋げる
- 患者ケアの場面:転倒防止プログラムの計画と実施→データ収集→改善策の導入という流れ
PDCAの優れた点は「課題が可視化されること」と「改善の連続性が担保されること」にあります。
PDCA活用で課題を乗り越えた実例紹介
ある中規模病院のリハビリ部門では、カンファレンス後の指示伝達ミスが問題となっていました。
▶ 解決までのPDCA活用の流れ
- Plan(計画):口頭伝達を廃止し、リーダーが情報をチェックリストで管理する計画を策定
- Do(実行):共有シートを活用し、全員が記入・確認できる仕組みを導入
- Check(評価):1ヶ月後の伝達ミス件数を調査し、50%減少
- Act(改善):週1回のシート見直しMTGを定例化
その結果、ミス削減・連携強化・チーム内の信頼向上という三拍子揃った効果が生まれ、スタッフからも「情報の見える化がありがたい」との声が増えました。
PDCA運用でありがちな失敗:再評価(Check)の落とし穴とは?
PDCAサイクルの中でも、最も軽視されがちなのが「C=Check(再評価)」です。特に医療・リハビリ現場では、PlanやDoは丁寧に実施されても、「再評価」が曖昧なまま次の行動(Act)に進んでしまうケースが多く見受けられます。
失敗事例:業務マニュアルを整備したのに現場が混乱
ある病院では、スタッフ間の業務手順のバラつきを改善するために、管理職が「標準マニュアル」を作成(Plan)し、それを全スタッフに配布・説明して現場で運用(Do)しました。
ところが、数週間後、かえって「やり方が統一されていない」との不満が噴出。混乱が悪化する結果となりました。
原因は「再評価(Check)の不在」でした。
- スタッフの運用状況を確認する「観察」「ヒアリング」「記録レビュー」などがなされておらず、
- そもそもマニュアルが現場に合っているのか、適切に使われているのかが把握されていませんでした。
結果として、改善どころか現場の信頼も低下し、管理職が孤立する事態となってしまいました。
改善のポイント:Checkは“定量”と“定性”の両輪で
Checkフェーズでは、「定量的なデータ(件数、実施率、エラー率など)」と「定性的な評価(スタッフの声、感情、認識など)」の両方を集めることが重要です。
例えば:
- 定量的評価:マニュアルに基づいた実施率をチェックシートで記録
- 定性的評価:週1回のフィードバックタイムで現場の声を収集
- 評価のタイミング:開始から2週間、1か月、3か月といった節目で評価
このように、再評価を“数字と声の両面”から行うことで、次のAct(改善)につなげられます。
まとめ
DCAは、リハビリ現場の「困った!」を仕組みで解決する強力なツールです。属人的な対応を脱し、全体の流れを改善していくことで、管理職としての役割を果たすだけでなく、チームの信頼と成果も高められます。小さなPDCAの実践から、ぜひ現場に変革を起こしてみてください。
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