
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、“静かに動く”リーダーについて考えましょう。

静かに動く・・・??

安定したチームを築くための「マネジメント禅」について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
リハビリの現場は、しばしば「緊急対応」「人手不足」「感情のぶつかり」が日常化しています。
そんな中、声を張り上げ、先頭に立つリーダーほど、心身の疲弊を感じていないでしょうか。
今求められているのは、“静かに動く”リーダーです。
騒がしい環境の中でも、静けさを保ち、周囲を落ち着かせ、チームを自然と整えていく存在。
その思想の基盤となるのが、「禅(Zen)」のマネジメント思考です。
この記事では、リハビリ管理職が混乱を鎮め、安定したチームを築くための「マネジメント禅」の考え方と実践法を紹介します。
騒がしい現場にこそ“静かに動く”リーダーが必要な理由
近年、医療・福祉現場では「即応」「判断」「スピード」が重視されすぎる傾向があります。
しかし、常に即答・即反応を求められる環境は、管理職自身のメンタル疲労とチームの混乱を引き起こします。
スタンフォード大学の心理学者ロバート・サットン(Sutton, 2010)は、“Calm Leadership(静穏なリーダーシップ)”の重要性を説き、
「混乱の中で冷静さを保てる人こそが、長期的に信頼を築く」と述べています。
禅の世界では、「動中の静(どうちゅうのせい)」という言葉があります。
これは、動きの中にも静けさを保ち、外の混乱に内心を乱されない境地を指します。
まさに、リハビリ現場のマネジメントにおける理想的な姿です。
マネジメント禅とは何か ― 「空」と「間」で導く心理学的基盤
禅の思考は、単なるスピリチュアルな思想ではなく、近年では心理学・神経科学にも裏付けられています。
「マインドフルネス」の概念(Kabat-Zinn, 1990)は、禅の瞑想法をベースにしており、
注意の自己制御と感情の安定を促すことで、リーダーの判断力を高めることが実証されています(Good et al., 2016)。
禅的マネジメントでは、「空(くう)」と「間(ま)」を重視します。
- 空:すべてを決めつけず、柔軟に受け止める姿勢
- 間:沈黙や余白を恐れず、他者に考える空間を与える
心理学者ダニエル・ゴールマン(Goleman, 2013)は、これを「エモーショナル・セルフレギュレーション(情動制御)」として説明し、
静かなリーダーほどチームのストレスを吸収し、安定したパフォーマンスを導くと述べています。
つまり、マネジメント禅とは「静けさによって他者を活かすリーダーシップ」です。
リハビリ管理職が実践できる“静かなマネジメント”3ステップ
① 静観する時間を持つ:「反応」ではなく「応答」で動く
トラブルが起きた時ほど、即座に判断するのではなく、一呼吸おくこと。
マインドフルネス研究では、6秒の間をおくことで感情的反応が減少することが示されています。
「一瞬の静けさ」が、最良の判断を生むのです。
② チームの“間”を観察し、沈黙の中に意味を見出す
スタッフが黙っている時、それは不満ではなく“思考の時間”かもしれません。
リーダーが「間」を恐れず待つことで、メンバーは安心して自己表現できるようになります。
③ 一言に重みを宿す ― 言葉より“存在感”で導く
リーダーの言葉は「多さ」よりも「深さ」です。
禅の教えにある「不立文字(ふりゅうもんじ)」、つまり言葉に頼らず態度で示す姿勢が、
リハビリチームの信頼関係を育みます。
まとめ
混乱の多いリハビリ現場で、最も強いリーダーは「静かに動く人」です。
禅の思考を取り入れたマネジメントは、
- 感情の波に呑まれない冷静さ
- チームの雰囲気を整える柔軟さ
- 一言の重みで信頼を築く深さ
をもたらします。
忙しさの中に“静けさ”を見出すリーダーこそ、これからの医療現場を導く存在です。

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