リハビリ管理職の新常識:デザイン思考で従業員エンゲージメントを高める“パーパスドリブン”組織づくり

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もんきち
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みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、管理職が牽引する意識づけについて考えましょう。

スタッフ
スタッフ

引っ張るだけじゃダメ?・・・

もんきち
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チームの“心の火”を再び灯すための方法について考えてみましょう。

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

リハビリ現場では、「忙しい」「人が育たない」「チームがまとまらない」といった声をよく耳にします。
しかし、その背景には単なる人手不足や制度問題ではなく、「エンゲージメント(職務への主体的関与)」の低下があります。

Gallup社(2023)の世界調査では、エンゲージメントが高い組織は離職率が43%低く、生産性が21%高いと報告されています。
リハビリ現場においても、スタッフが「自分の仕事の意味」を感じられる組織ほど、学習意欲・創意工夫・患者満足度が高まることが明らかになっています(Maslach & Leiter, 2016)。

本記事では、「デザイン思考」と「パーパスドリブン経営」の考え方をもとに、リハビリ管理職がチームの“心の火”を再び灯すための方法を解説します。


リハビリ現場で低下する“やる気”の正体 ― エンゲージメントの構造的課題

🔹「疲弊」と「無力感」のループ

多くのリハビリ職員が「忙しすぎて考える余裕がない」と語ります。
この“感情の疲弊”は、心理学的には**バーンアウト(燃え尽き症候群)**の初期段階であり、エンゲージメントとは反対の現象です。
特に管理職が「数字」や「評価」に追われすぎると、チーム全体が「なぜこの仕事をしているのか」を見失い、やがて“目的喪失”が進行します。

🔹エンゲージメントの3要素

学術的には、エンゲージメントは以下の3要素で構成されます(Schaufeli & Bakker, 2004)。

  1. 活力(Vigor):エネルギーと回復力
  2. 熱意(Dedication):仕事への誇り・意義感
  3. 没頭(Absorption):仕事への集中・一体感

これらを高めるには、**「なぜ働くのか」という目的意識(パーパス)**を再構築する必要があります。


デザイン思考とパーパスドリブン文化 ― 組織を動かす「共感」と「目的」の設計

🔹デザイン思考が生む“共感起点の組織学習”

デザイン思考は、**共感(Empathy)**から始まる問題解決アプローチです。
スタッフや利用者の「感情」「価値観」「経験」に寄り添うことで、単なる業務改善を超えた“共感的課題解決”が可能になります。

IDEO社のTim Brown(2008)は、デザイン思考を「人間のニーズ・技術の可能性・ビジネス要件を統合する創造的プロセス」と定義しました。
つまり、リハビリ組織においても、“制度に合わせる”のではなく、“人の想いに合わせて制度をデザインする”という視点が鍵になります。

🔹パーパスドリブン文化とは?

パーパスドリブン文化とは、「何をするか」よりも「なぜするか」を重視する組織文化です。
Googleのリーダーシップ研究「Project Aristotle」(2015)では、心理的安全性に加え、**“仕事の意味(Meaning of Work)”**が高いチームほどパフォーマンスが高いことが確認されました。

つまり、パーパスとは「チームの羅針盤」であり、エンゲージメントを育む共感的ストーリーの核なのです。


エンゲージメントを高める3つの実践ステップ ― リハビリ管理職が始める文化変革

① 「共感インタビュー」で職員の声を掘り起こす

1対1の対話で、「この仕事で一番うれしかった瞬間は?」と尋ねてみましょう。
感情を軸に聴くことで、チームの“隠れた価値観”が見えてきます。

② 「チームパーパス」を可視化する

ワークショップ形式で「私たちがこの現場で実現したいこと」を言語化。
付箋やホワイトボードで整理し、組織の使命をチーム全員で再定義します。

③ 「ありがとうの循環」を仕組み化する

感謝を日常的に見える形にする(例:「Thanksカード」や「称賛チャット」導入)。
これは感情面の“デザイン”でもあり、ポジティブ心理学においても感謝表現は幸福感と生産性を高めると報告されています(Emmons & McCullough, 2003)。


■まとめ

リハビリ現場におけるマネジメントは、いま「管理」から「共感のデザイン」へと進化しようとしています。
デザイン思考は、人の想いを中心に据え、組織を“目的で動く”形に変えていく最適な方法です。

パーパスドリブンな文化は、スタッフ一人ひとりが「自分の仕事が誰かの力になっている」と実感できる職場をつくります。
その先にあるのは、“燃え尽きないリハビリチーム”。
まずは、小さな共感の対話から始めてみましょう。

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