「リハビリで「一緒に決める医療」を実現する:心理的安全性が支える共創ケア」

アウトプット
Screenshot
もんきち
もんきち

みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、共に決める医療について考えましょう。

スタッフ
スタッフ

なかなか、意思疎通を完全にするのは難しいですよね

もんきち
もんきち

パートナー型リハビリについて考えてみましょう。

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

リハビリは、ただ「動けるようになる」だけではなく、患者自身が“自分らしい暮らし”を取り戻すプロセスです。
そこで問われるのが、「何を大切にするか」「どう進めたいか」を“共に決める”姿勢です。
しかし、どれだけ選択肢を提示しても、患者が不安を抱えたまま黙ってしまう現場では、本当の意味での“共に決める医療”は成立しません。
その背景にあるキーワードが、心理的安全性(Psychological Safety)です。
これはチームだけでなく、患者−セラピスト間の信頼関係にも深く関わる概念です。
本記事では、心理的安全性がどうパートナー型リハビリを支え、患者もスタッフも主体的に動ける現場をつくるのか、最新研究とともに探ります。

なぜ“共に決める医療”がリハビリで重要なのか

リハビリテーションは、患者の身体・生活・価値観に深く関わる医療領域です。そこでは、セラピストや他職種が“最適と思われるプラン”を一方的に提示するだけでなく、患者自身が「どうしたいか」「何を大切にしたいか」をともに考える“共に決める医療(shared decision-making, SDM)”が不可欠になっています。 SDMは、患者の納得度・治療継続性・自己管理能力を高めることが報告されており、特に慢性期・リハビリ分野ではその重要性が増しています。 ウィキペディア+1 しかし、「一緒に決める」と言っても、言いたいことが言えない・提案が受け入れられないという環境では、形式だけの“選択肢提示”にとどまりがちです。そこに鍵となるのが心理的安全性です。心理的安全性とは、「チーム内でミスやリスクを取っても罰せられないという共有された信念」ですが、医療・リハビリ現場でも「患者が意見を言える」「スタッフが提案を出せる」場をつくるための土台となります。

心理的安全性がパートナー型リハビリを支えるメカニズム

リハビリ現場では、患者・セラピスト・他職種スタッフそれぞれの「声」が治療の質に影響します。心理的安全性が確保されたチームでは、次のような好循環が生まれます。

  • 患者が「この歩行練習が不安です」と言いやすい → セラピストが選択肢を提示し、患者の価値観を反映できる。
  • スタッフが「この手法に改善の余地があります」と共有できる → チームの学びが加速し、リハビリプログラムが進化する。
    医療分野での最近の報告では、スタッフ‐患者間の心理的安全性がSDMの実践を促し、患者のエンゲージメントを高めることが示されています。例えば、スタッフがミスを出しても共有できる文化がある施設では、リハビリ計画が柔軟に変更され、患者との協働感が増し、回復意欲を高める傾向があります。つまり、心理的安全性は“パートナー型リハビリ”を実現するための不可欠な基盤なのです。

リハビリ現場で“共に決める”文化をつくるための実践ステップ

では、具体的にどのようにして“共に決める医療”を実践現場に落とし込むか。下記のステップが有効です。

  1. 傾聴の場をつくる
     定期的に患者・スタッフ双方の意見を引き出すミーティングや1on1を設け、「あなたの希望は?」「どんな日常を取り戻したい?」と問いかける場を。
  2. 選択肢とリスク・ベネフィットを共に整理する
     ただ「こうしましょう」ではなく、「この方法とこちらの方法があります。それぞれの利点・不安はどうですか?」と対話を行う。
  3. 結果だけでなく“プロセス”を共に振り返る
     「計画通り進みました」「この部分がうまくいかなかった」という振り返りを、患者・スタッフ・チーム全体で共有し、「どうしたら次はもっとよくなるか」を一緒に考える。
    これらのステップにより、チームは患者と共に「選ぶ」力を高め、心理的安全性という土台の上で、真のパートナー型リハビリが構築されていきます。

まとめ

“共に決める医療”は、患者の選択肢を増やすだけではなく、患者・スタッフ・チーム全員が声を出し、意志を反映できる環境があって初めて機能します。
その環境を支えるのが、心理的安全性です。
リハビリ現場では、患者が不安を伝えられ、セラピストが提案を受け入れられ、チームが対話を続けられる――この三者の対話が「治療」から「共創」への転換をもたらします。
選択肢を共に吟味し、自分らしく回復へ向かう道を描く。
それこそが、リハビリの未来です。

コメント