
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、属人化はリスクについて考えましょう。

かっこいい存在ではダメなの?・・・

他産業がどのように属人化から脱却してきたのかについて考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに|「このまま臨床だけでいいのか?」という違和感
「あの人がいないと、この部署は回らない」
医療現場では、こうした言葉が称賛として使われることがあります。
責任感が強く、頼りになる存在。確かに尊敬に値するでしょう。
しかし、その裏側で何が起きているでしょうか。
- その人が休めない
- ノウハウが共有されない
- 若手が育たない
- 退職と同時に現場が崩れる
他産業ではすでに、属人化はリスクとして扱われています。
ではなぜ、医療だけが「属人化=美徳」という価値観から抜け出せないのか。
本記事では、他産業がどのように属人化から脱却してきたのかを整理し、それを医療現場にどう応用できるかを考えていきます。
なぜ医療現場では「属人化」が美徳として残ってしまったのか
医療の属人化は、決して怠慢の結果ではありません。
むしろ、善意と専門性の積み重ねによって生まれました。
属人化を生んだ3つの背景
1. 専門職教育の構造
医療職は長年、「個人の判断力」「経験値」を重視して育成されてきました。
結果として、知識や判断が個人の頭の中に蓄積されやすくなります。
2. 患者第一の倫理観
「自分がやった方が早い」「任せるより安全」
この判断が積み重なり、仕事が集中します。
3. 組織設計の不在
多くの病院では、
- 業務プロセス
- 標準化
- 改善の仕組み
が十分に設計されていません。
その“空白”を、優秀な個人が埋めてきたのです。
James Reason(1997)の安全理論では、
エラーは個人ではなくシステムの問題とされています。
属人化とは、
「個人でシステムの欠陥を補っている状態」
と言い換えることもできます。
他産業はどうやって属人化から脱却してきたのか
医療よりもはるかに高い安全性・再現性が求められる産業では、
属人化は真っ先に排除すべき対象でした。
製造業:標準化と改善の文化
トヨタ生産方式では、
- 標準作業
- 見える化
- カイゼン
が徹底されています。
「できる人に任せる」のではなく、
誰でも一定水準でできる状態を作ることが目的です。
Demingの品質管理理論でも、
成果の8割以上はプロセスで決まるとされています。
IT業界:知識を個人に閉じ込めない
IT業界では人の流動性が高いため、
属人化=事業リスクです。
- ドキュメント文化
- コードレビュー
- チーム開発
によって、
誰かが抜けても回る構造を前提に設計されています。
航空業界:ベテランほど仕組みに従う
航空業界では、
経験豊富なパイロットほどチェックリストを重視します。
これは
「自分を信用しすぎない」
というプロフェッショナリズムの表れです。
医療にどう活かすか──属人化を減らすための現実的アプローチ
医療に他産業をそのまま持ち込むことはできません。
しかし、考え方は十分に応用可能です。
医療現場で実践できる5つのポイント
1. 「できる人基準」から「仕組み基準」へ
優秀な人のやり方を“特別扱い”せず、言語化・共有する。
2. 標準化=画一化ではない
判断が必要な部分と、標準化できる部分を切り分ける。
3. 管理職の役割を変える
プレイヤーではなく、
業務を設計する人へ。
4. 失敗を責めない改善文化
ヒヤリ・ハットを「個人評価」と切り離す。
5. 属人化を評価しない
「一人で抱える」より
「仕組みを残した」人を評価する。
まとめ
属人化は、頑張ってきた人たちの勲章のように見えるかもしれません。
しかしそれは同時に、
- 人を疲弊させ
- 組織を脆くし
- 未来の人材を育てない
構造でもあります。
他産業が示してきたのは、人を信じない組織ではなく、人を守る仕組みです。
医療が次のステージへ進むために必要なのは、さらに頑張ることではありません。
頑張らなくても回る組織を設計すること。
その一歩が、属人化を美徳としない視点なのです。

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