
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、標準化について考えましょう。

大事なのはわかるけど・・・

他産業はどのようにこの問題を乗り越えてきたのかについて考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
「標準化すると、医療が画一的になる」
「患者一人ひとりに合った対応ができなくなる」
医療現場では、標準化に対してこうした懸念が根強くあります。
確かに、医療は個別性の高い分野です。
しかし現実には、
医療の質と安全性で高く評価されている病院ほど、標準化を徹底しています。
なぜでしょうか。
本記事では、
- 医療における標準化の誤解
- 他産業が標準化を「武器」にしてきた理由
- 病院にとって本当に必要な標準化とは何か
を、学術的根拠と実践視点から掘り下げていきます。
標準化は医療の質を下げるのか?──よくある誤解
医療における標準化への抵抗感は、ある意味自然です。
誤解① 標準化=個別性の否定
標準化という言葉から、
「全員同じ対応をする」
「考えなくてもよくなる」
というイメージが先行しがちです。
しかし本来の標準化は、
最低限守るべき“質と安全の土台”を揃えること
であり、個別対応を縛るものではありません。
誤解② 熟練者の価値が下がる
「標準化すると、ベテランの経験が活かされない」
という声もあります。
実際には逆で、
標準化はベテランの知見を組織に残す手段です。
Reason(1997)の安全理論では、
事故や質低下の多くは「個人の失敗」ではなく
標準化されていないシステムに起因するとされています。
属人的な医療は、
質が高いように見えて、実は再現性が低いのです。
他産業では「標準化=安全と成果」の前提がある
医療以上に高い安全性が求められる産業では、標準化は議論の余地がない前提です。
航空業界:標準化があるから判断できる
パイロットは高度な専門職ですが、
- 操作
- 緊急対応
- コミュニケーション
の多くが標準化されています。
これは、
人はどんなに熟練してもミスをする
という前提に立っているからです。
標準化があるからこそ、
本当に難しい判断に集中できるのです。
製造業:品質は人ではなく工程で作る
製造業では、
「誰がやっても一定の品質」
を実現するために、
- 標準作業
- 可視化
- 継続的改善
が徹底されています。
Demingの品質管理理論でも、
成果の大部分は個人能力ではなく
プロセスの設計で決まると示されています。
IT業界:標準化は柔軟性の前提
IT業界は変化が激しい分野ですが、
- コーディング規約
- 開発フロー
- レビュー手順
が厳密に定められています。
これは、
標準化があるからこそ、変化に強くなる
という考え方です。
医療における標準化の本質──質と安全を同時に高める設計
医療の標準化は、「すべてを同じにすること」ではありません。
医療に必要な標準化とは
1. 判断の前段階を揃える
- 情報収集
- 評価方法
- 共有フォーマット
を標準化することで、
判断の質が安定します。
2. ミスが起きやすい部分を守る
- 申し送り
- 引き継ぎ
- 多職種連携
は、個人の注意力に頼らず
仕組みで守る必要があります。
3. 個別性は「標準+α」で扱う
標準化は、
「ここまでは必ずやる」
という土台づくり。
その上で、
患者ごとの個別対応が生きてきます。
4. 管理職の役割を変える
管理職が現場を回すのではなく、
現場が安定して回る設計を担う。
まとめ
標準化は、
- 医療の質を下げるものでも
- 専門性を奪うものでもありません。
むしろ、
質と安全を“再現可能”にするための条件です。
優れた病院ほど、
- 人に頼りすぎず
- 経験を仕組みに変え
- 個別性を活かす余白を作っています。
標準化とは、
医療を縛るためのルールではなく、
医療を守り、進化させるための土台です。

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