
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、管理職の第一歩について考えたいと思います。

何からすればいいんでしょう?

今回は、自分の役割について考えてみましょう!
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
臨床の現場でリハビリに真摯に向き合ってきた専門職が、ある日突然「管理職」として新たな役割を担う——。
この転換は、専門性の進化である一方で、“アイデンティティの揺らぎ”を生む瞬間でもあります。
なぜ、現場の優秀なセラピストが管理職になると戸惑うのか?
その背景には、「役割の切替(ロール・トランジション)」という見えにくい壁が存在します。
本記事では、リハビリ専門職が管理職として“成功するための第一歩”として、「役割の切替」の重要性と、乗り越えるためのヒントを学術理論と実践に基づいてご紹介します。
なぜ「役割の切替」が必要なのか?
臨床と管理は“別の仕事”
リハビリの臨床現場では、「目の前の患者さん」に全力を注ぐことが使命です。
一方、管理職になると視点は「組織全体」や「人材育成」へと移行します。
この変化に戸惑いを感じるのは当然です。なぜなら、価値基準も成果の評価軸も、ガラリと変わるからです。
心理的葛藤とロール・トランジション理論
この変化は心理学で「ロール・トランジション(役割転換)」と呼ばれます。
現職を離れ、新たな役割に適応する過程には、次の3段階があります(Bridges, 2009):
- 終焉(Ending) – これまでの役割・アイデンティティを手放す
- ニュートラルゾーン(Neutral Zone) – 不安定で揺れる過渡期
- 開始(New Beginning) – 新しい役割の習得と統合
この理論を理解すると、「なぜ自分は今うまくいかないのか」が腑に落ちるはずです。
「移行の壁」を乗り越える3つの視点
① 自己認識を深める
リハ職から管理職になる際に求められるのは、「自分の役割が変わった」ことへの自覚です。
この自覚を持たないまま管理業務を進めても、旧来の現場志向のままではチーム全体を導けません。
まずは、**「現場の延長線ではない新しい役割である」**という気づきが必要です。
② 感情のマネジメント
やる気はあるのに、空回りする…。
それは新たな業務への“心理的抵抗”が原因です。
Bridgesはこの期間を「ニュートラルゾーン」と位置づけ、意図的な“揺らぎ”の中で自己理解と変化を深めることが必要だと述べています。
この時期に自己否定せず、感情を言語化しながら支援者(上司・メンター)と話すことが極めて効果的です。
③ 組織の支援体制を活用する
制度的な支援も重要です。メンター制度やOJTによる段階的な役割習得、業務の見える化などは、ロール・トランジションを円滑にします。
また、リーダー同士の対話の場をつくることも、「自分だけが悩んでいるのではない」と気づく大切な機会になります。
成功するマネジメントへの実践ステップ
ステップ1:行動の切り替え
まず「会議のファシリテート」「業務の優先順位づけ」「人材配置」など、自身が管理者として担うべき行動をリストアップします。
これを日々の業務に落とし込み、実行と振り返りのPDCAを回しましょう。
ステップ2:フィードバック文化の活用
管理職は“孤独な立場”になりやすいため、意図的にフィードバックを求める文化が有効です。
部下からの匿名意見収集や、上司との定期的な1on1ミーティングなど、「見えない成果」に光を当てる習慣づけが鍵です。
ステップ3:小さな成功体験の積み重ね
大きな改革ではなく、“部下が笑顔になった”や“会議が予定通り進行した”といった小さな成功体験を大事にしましょう。
これは新たな役割への自信を育て、ロール・トランジション完了への後押しとなります。
まとめ
リハビリ専門職から管理職への移行には、「マネジメント技術」よりもまず「マインドの転換」が求められます。
それが“役割の切替(ロール・トランジション)”です。
この過程は簡単ではありませんが、自分の中で「古い役割を手放し、新しい自分を再定義する」ことができれば、
やがて管理職としての軸と自信が育っていきます。
現場から管理へ。リハビリ職の未来を支えるあなたにとって、この記事がその一歩となれば幸いです。
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