
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、属人化の悩みについて考えたいと思います。

自分しかできないことが多すぎる・・・

今回は、誰でも一定の成果を出せる仕組みについて考えましょう!
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
属人化――それは、特定のスタッフにしかできない業務が増え、組織の生産性を阻む大きな壁。特にリハビリ部門では、書類業務や技術の伝承が特定の人に依存しやすく、業務の偏りやミスが生じる温床になります。本記事では、属人化防止のカギを握る「教育ツール」に着目し、マニュアルと動画という二大手段をどう活用すべきか、製造業(トヨタ)の手法を参考にした具体的な行動プランをご紹介します。
なぜリハビリ現場は属人化しやすいのか?
業務の複雑化と指導体制の限界
リハビリ現場は、「治療」と「書類業務」の両立を求められる複雑な職域です。日報・計画書・報告書といった多様な文書業務に加え、機能訓練や口頭指導も日常的。これらが多忙な中で属人的に処理されていくと、以下のようなリスクが発生します。
- 業務の引き継ぎが困難
- 新人教育がバラつく
- 書類の精度やスピードが落ちる
厚生労働省の「医療勤務環境改善マネジメントガイドライン」においても、タスクの標準化と明文化の必要性が強調されています(厚労省, 2015)。リハビリ部門における標準化の第一歩として「教育手段の見直し」が注目されています。
トヨタ式「標準作業書」から学ぶ、リハビリ現場での応用事例
製造業からの示唆 ― 標準作業書の要素とは?
トヨタ生産方式では、「誰が見ても同じ作業ができるように」写真+簡潔な手順で記された【標準作業書】を現場に掲示しています。これをリハビリ業務に応用した事例が、ある整形外科病院で実践されました。
取り組み例:
- 書類記入マニュアルを「図解+動画」で構成(1テーマ5分以内)
- QRコードをカルテに貼付し、動画参照をルーティン化
- 新人研修で「動画→マニュアル→実践→フィードバック」の4ステップを導入
この結果、2年目スタッフの書類記入ミスが前年比60%減となり、教育時間も30%短縮されたという報告が上がっています。
実践につなげる!属人化を防ぐためのアクションプラン
アクションプラン①:業務の中から「標準化すべき作業」を洗い出す
例:評価表の記入、目標設定会議の進行、退院前家屋調査のチェックリスト記入など
- ステップ1:現場スタッフ全員から「新人が戸惑いやすい作業」をヒアリング
- ステップ2:年間業務スケジュール・書類の中から“繰り返し性”の高いものをピックアップ
- ステップ3:業務難易度・頻度に基づき、優先度をランク付け(S/A/B)
注意点:
業務を「個人技」として捉えているスタッフが多いと、属人性の棚卸しに抵抗感が生まれる可能性があります。
対策:
「新人に引き継ぐ想定」で業務を説明してもらうと、自然と“可視化の必要性”を理解してもらいやすくなります。
アクションプラン②:「簡潔な標準作業書」を作成する(紙+図解)
- 構成ルール:
- A4一枚、最大5手順
- 各手順は「①行動」「②根拠」「③注意点」の3項目で記述
- 手順ごとに実際の写真(またはイラスト)を1枚配置
- 作成手順:
- 現場で実際に撮影した写真を使用(個人情報に配慮)
- Microsoft Word / PowerPointでテンプレート化して量産可能に
- 「記入例」「NG例」も併載すると理解度が高まる
注意点:
作成に時間がかかる上に、「完璧を目指す」と途中で止まりがちになります。
対策:
まずは“ラフ案”でも良いので、1業務1枚ルールで早く現場に提示 → フィードバックを受けながらアップデートする「見えるPDCA」方式で進めましょう。
アクションプラン③:「標準作業動画」と併用したハイブリッド教育体制の構築
- 動画作成の基本方針:
- 1本2~5分程度(短く、要点のみ)
- タブレット・スマホで視聴可能(MP4またはYouTube限定公開)
- 動画内容は標準作業書と完全リンク(動画の順序=紙の手順)
- 活用方法:
- QRコードを紙マニュアルに貼付し、視聴導線を確保
- 新人研修で「①動画視聴→②紙で復習→③ロールプレイ→④OJT」の流れを構築
- 定期的に動画内容を見直し(現場フィードバックを反映)
注意点:
動画編集に時間とスキルが必要なため、手間がボトルネックになります。
対策:
・スマホ撮影+簡単な字幕だけで始める(完璧を求めない)
・Canva、VLLO、CapCutなど無料の動画編集アプリを活用する
・撮影・編集は新人や若手に依頼すると教育効果にもつながります
応用展開の例:
応用対象業務 | ハイブリッド化内容 | 期待効果 |
---|---|---|
計画書の記入 | 記入手順を紙+動画で解説 | 書類精度と記入速度の向上 |
家屋調査 | 必要な道具や撮影ポイントを映像で確認 | 抜け漏れ防止、業務の自信化 |
退院前カンファ | 話し方の構成例・ロールプレイ動画 | 報告力・チーム間理解の向上 |
まとめ
属人化防止の第一歩は、「誰がやっても同じ品質でできる仕組みづくり」。その中核にあるのが教育ツールの整備です。マニュアルと動画、それぞれの特性を理解し、業務内容に応じて適切に組み合わせることが、管理職としての最適解。トヨタ式の標準作業書の考え方を取り入れ、実践的な行動プランに落とし込むことが、これからのリハビリ現場を変えていく鍵となるでしょう。
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