VUCA時代を生き抜くリハビリ管理職へ:デザイン思考で築く目的志向型リーダーシップ

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もんきち
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みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity:変動性・不確実性・複雑性・曖昧性) について考えましょう。

スタッフ
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なんですか?・・・

もんきち
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VUCAを切り抜けるため、ただデータで管理するだけでなく、「目的」に根差した意思決定ができるリーダーシップについて考えてみましょう。

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

リハビリ現場を取り巻く環境は、ますます予見不能な変化が加速しています。制度改定、技術革新、スタッフ構成の多様化、利用者ニーズの変化──これらすべてが、典型的なマネジメント手法の限界を浮き彫りにしています。
このような VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity:変動性・不確実性・複雑性・曖昧性) の時代にこそ、ただデータで管理するだけでなく、「目的」に根差した意思決定ができるリーダーシップが求められます。
本記事では、デザイン思考という方法論を手がかりに、リハビリ管理職が 目的志向型リーダーシップ を実践し、変化を力に変える道筋を描きます。


VUCA時代とリハビリ現場の課題

まず、VUCA時代におけるマネジメントの限界を見つめます。

  • 変動性(Volatility):制度改定、保険制度、医療技術の変化が頻発
  • 不確実性(Uncertainty):将来予測が難しく、計画通りに進まない
  • 複雑性(Complexity):多職種連携、制度間調整、患者・地域・制度の交錯
  • 曖昧性(Ambiguity):因果関係が見えにくく、正解が一つでない問題

従来のトップダウン型管理や数値目標依存型マネジメントは、これらの変化を包摂できず、固定観念と硬直した判断を生みがちです。
リハビリ現場でも、「なぜこのプランを選ぶか」「この変化には何が働いているか」を問う余地を残さないマネジメントは、現場のモチベーション低下やスタッフ離脱を引き起こすリスクがあります。


デザイン思考 × 目的志向型リーダーシップとは何か

デザイン思考とは

デザイン思考は、共感 → 問題定義 → アイデア創造 → プロトタイプ → テストというプロセスを通じて、利用者視点・創造的視点を取り入れながら課題解決を探す方法論です(Brown, 2008)。
これを組織・マネジメントに応用することで、変化に強い組織をデザインできます。

目的志向型リーダーシップ

目的志向型リーダーシップ(Purpose-Driven Leadership)とは、単なる目標達成ではなく、組織やチームの「存在意義」「社会的使命」に基づいて行動を導くスタイルです。
この2つを組み合わせることで、リーダーは以下のような役割を果たします:

  • 共感的な問いを立て、チームの内側から動機を引き出す
  • データ × 物語のバランスを取りながら、意思決定を「意味ある方向」に導く
  • 変化を前提とした小さな試行と学習の文化を育てる

学術的には、組織心理学やリーダーシップ研究でも「目的意識を持った組織は従業員のエンゲージメントとパフォーマンスを高める」ことが示されています(Grant, 2008)。


実践ステップ — リハビリ管理職が始める3つのアプローチ

① 「なぜ?」を問い直すワークショップ

月1回、スタッフと共に「私たちはなぜこのリハビリをしているのか?」というワークを実施。
付箋に“使命・想い”を出しあい、共感ストーリーを紡ぐ。

② 小さな実験(プロトタイプ)を設計

たとえば、「新しい回復目標の提示方法を試す」「スタッフ体験談を月報に掲載」など、目的に紐づいた試験的施策を導入して効果を観察。

③ 意思決定に「目的軸フィルタ」を導入

判断基準に「目的への貢献度」を設ける。目の前のデータだけで選ぶのではなく、「この選択は組織の存在意義に資するか?」という視点を通す。

これらのステップを繰り返すことで、データだけで終わらない、意味のある組織変革が生まれていきます。


まとめ

VUCAの時代において、リハビリ管理職に必要なのは 揺るがない目的軸変化を前提とした問いの設計力 です。
デザイン思考を取り入れた目的志向型リーダーシップは、単なるマネジメント手法ではなく、変化を資源に変えるリーダーの在り方です。

まずは「なぜ私たちはここにいるのか?」を問い直し、チームと共に物語を紡ぎ直すことから始めてみてください。
その問いが、未来の変革を呼び込む道標になります。

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