病院の退院支援チーム最前線|経営・現場・患者が語る“これまで”と“これから”

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もんきち
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みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、退院支援について考えましょう。

スタッフ
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地域連携室の仕事でしょ?

もんきち
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「患者の生活再建を支える価値創造型」について考えてみましょう。

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

退院支援チームは、病院経営・リハビリ現場・患者家族のすべてに関わる医療の要です。
これまでの「早期退院」中心の仕組みから、今後は「患者の生活再建を支える価値創造型」へと進化しています。
本記事では、経営者・リハビリ管理職・患者の3つの視点から、退院支援チームの“過去・現在・未来”をわかりやすく解説します。

経営者視点 ― 退院支援は「コスト」から「価値」へ

医療経営の現場では、これまで「退院支援=在院日数を短くするためのコスト対策」として捉えられてきました。
特にDPC(診断群分類包括評価)導入以降、病床稼働率と平均在院日数が病院の経営指標として重視されるようになり、退院支援の目的は「早く退院させること」に偏りがちでした。

しかし現在、潮流は確実に変わっています。
厚生労働省の「地域医療構想」や「地域包括ケアシステム」の推進により、病院は**“治療だけでなく生活再建の支援”**を担う存在として位置づけられつつあります。
つまり、退院支援は“出口管理”ではなく、“価値創造のプロセス”へと変化しているのです。

たとえば、退院支援を通じて再入院率を減らすことは、医療費削減だけでなく、病院の信頼性・ブランド価値を高める戦略でもあります。
また、**Value-Based Healthcare(価値に基づく医療)**という考え方では、「患者アウトカム(生活の質)」と「コスト効率」を両立させることが経営評価の基準になります。

🔹学術的根拠:
Porter, M. E. & Teisberg, E. O. (2006). Redefining Health Care: Creating Value-Based Competition on Results. Harvard Business School Press.
→ 病院は“価値”で競争する時代へ移行中。

経営者が今求められているのは、退院支援を「費用」ではなく「投資」として位置づけることです。
データを用いてリスク予測・地域連携・再入院率低下の効果を可視化することが、今後の経営戦略の鍵となるでしょう。


リハビリ管理職視点 ― 現場が抱える課題と進化の方向性

リハビリ管理職にとって、退院支援チームの機能は「多職種連携の中核」です。
患者一人ひとりに対して、身体機能の回復だけでなく、家庭環境や生活能力までを含めた総合的な判断が求められます。
しかし現場では、書類業務の増加、情報共有の煩雑さ、チーム間の意思疎通不足など、“人”に依存した運営の限界が見え始めています。

こうした課題を解決するカギは、**「デジタル×チーム文化」**にあります。
ICTツールを活用した情報共有、AIによる退院リスクスクリーニング、動画教育による患者指導などが導入され始め、退院支援の質を底上げしています。

また、近年注目されているのが**“心理的安全性”**です。
リハビリチームでも、若手が意見を出せる環境を整えることで、患者支援のアイデアが増え、ミス防止にもつながります。

🔹学術的根拠:
Edmondson, A. (1999). Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams. Administrative Science Quarterly, 44(2).
→ 心理的安全性の高いチームはパフォーマンスと学習効果が高い。

リハビリ管理職は、単なるスケジュール管理者ではなく、**「組織文化の設計者」**としての役割を担う時代へとシフトしています。
退院支援チームが成果を上げるかどうかは、管理職のマネジメント力にかかっています。


患者・家族視点 ― 「安心して退院できる社会」への変化

患者と家族にとって、「退院」はゴールではなく、新たな生活のスタートです。
しかし現実には、退院後の生活不安や家族介護負担、在宅サービスへの不理解などが再入院の原因となるケースも少なくありません。

この問題を解決するために広がっているのが、**SDM(Shared Decision Making:共同意思決定)**の考え方です。
医療者が「どうしますか?」ではなく、患者と共に「どう生きたいか」「どんな生活を望むか」を話し合い、退院計画を立てるプロセスです。

また、最近では動画やアプリを用いた「退院前教育」や、リハビリ継続を支援するデジタルプログラムも増えています。
これにより、患者が“自分の回復を自分で管理できる”環境が整いつつあります。

🔹学術的根拠:
Elwyn, G. et al. (2012). Shared decision making: a model for clinical practice. Journal of General Internal Medicine, 27(10).
→ SDMは患者満足度・治療継続率を高めることが実証されている。

今後の退院支援チームの課題は、「早く退院させる」ことではなく、
「患者が安心して生活を取り戻せる環境を整える」ことへと進化していくでしょう。


まとめ:退院支援の未来は“共創”にある

退院支援は、経営者・現場・患者の三者がそれぞれの立場から関わる「共創の場」になりつつあります。
経営者は価値創造の視点を、管理職はチーム文化の視点を、患者は自立支援の視点を持つことで、
“病院で完結しない医療”が実現します。

これからの退院支援チームは、単なる「退院調整」ではなく、
**「地域とつながる、人生を支えるプラットフォーム」**へと進化していくのです。

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