
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、退院支援について考えましょう。

他職種で意思の統一が難しいですよね・・・

FIMを生活モデルにつなげ、退院支援まで一貫した目的共有を実現する方法について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
回復期リハビリテーションでは、医師・看護師・療法士の目的が揃っているかどうかで、患者の回復スピードや退院支援の質が大きく変わります。
FIMという評価指標は重要ですが、それだけでは退院後の生活像は見えてきません。
そこで本記事では、FIMを生活モデルにつなげ、退院支援まで一貫した目的共有を実現する方法を、学術的根拠と実践例を交えて解説します。
回復期における“目的共有”の重要性(エビデンスと現場課題)
回復期リハビリテーションの成果を最大化するために最も重要な要素――それは 「医師・看護師・療法士が“同じ目的”を共有していること」 です。
しかし現場では、
医師:医学的リスクと在院日数
看護師:生活上の安全と介助量
療法士:ADL・歩行能力
と立場ごとに重視するポイントが異なり、「目的のズレ」が起こりやすいのが実情です。
研究では、多職種の目的共有ができている病棟ほど、ADL改善・在院日数短縮・在宅復帰率が高いことが報告されています(Dutton et al., 2020)。
FIMの得点は“言語”であって“目的”ではない
FIMはADLを評価する上で非常に有用ですが、
点数だけを追っても生活再建(Participation)や退院後の生活予測は見えてきません。
だからこそ、
FIM → 生活モデル(生活行為・役割・参加) → 退院支援
という流れで“意味づけ”する必要があります。
生活モデル(ICF/生活行為モデル)の導入が重要
生活モデルを使う理由は、医師・看護師と「生活の全体像」を共有しやすくなるため。
何ができる?
どこで暮らす?
誰が支援する?
退院後の役割は?
どんな支援が必要?
この視点が揃うことで、退院支援の遅れが減り、リハの方向性が明確化します。
FIM→生活モデルにつなげる実践的情報整理(具体的手法)
① FIMは“点数”ではなく“できる/できないの理由”を見る
例:FIM移乗 4点
→ 手すりへのリーチが困難/体幹保持が不安定/指示理解が曖昧 など
② 活動(activity)と参加(participation)を接続させる
例:
FIM食事 5点
→ 退院後は独居。食事を自力で準備できるか?噛む・飲む能力は?
この“参加レベル”との接続が生活モデルの核心です。
③ 家族・環境情報を統合する
同居家族の介助力
支援サービスの利用可能性
家屋構造(段差・トイレ動線)
地域リハの導入タイミング
医師・看護師は意外とこれらの情報を知りません。
だからこそ「療法士が統合して届ける」ことが価値になります。
④ 医師・看護師が理解しやすい情報の並べ方
おすすめの順番はこれです:
現在のADL(FIMの要点)
“できない理由”の整理
退院後の生活像(生活モデル)
必要な支援・サービス案
医師と看護への依頼事項
→ “主訴→評価→解釈→提案”の医療的思考に沿っているため理解されやすい。
⑤ カンファレンスで使える目的共有テンプレート
【テンプレ例】
退院後の生活像:
キーパーソン/介助力:
生活課題(ADL/活用サービス):
今回のゴール:
医師への相談事項:
看護師への依頼事項:
→ “生活全体”→“今必要な支援”という順で伝わる。
退院支援の「ズレ」を無くす目的共有フロー(実践モデル)
① ゴール設定(共有)
FIMではなく“生活モデル”でゴールを提示
「この人はどこでどう暮らすのか」を具体化
② 介入計画(役割分担)
医師:離床・医学的リスク管理
看護:生活支援・セルフケア
PT/OT/ST:活動・参加の向上
MSW:支援サービス調整
“誰が、何を、どこまで”を明確にする。
③ 多職種間での再評価(ズレを修正)
FIM得点の推移
ADLの伸び
家族・家屋の変化
支援サービスの準備状況
→ 毎週のカンファレンスで“ズレ修正”が最重要。
④ 退院前カンファレンスで意思一致
以下が一致すると、退院支援の失敗は激減します:
退院先
介助量
必要な環境整備
医療管理
役割分担
研究でも、目的共有ができているチームは在宅復帰率が高く、再入院率が低いとされています(Smith et al., 2021)。
まとめ
FIM → 生活モデル → 退院支援
この一貫した目的共有が、回復期リハの質を劇的に高めます。
医師・看護師が理解しやすい形で情報を整理し、生活像・家族支援・環境整備を統合することで、多職種が同じ方向を向いたチームが生まれます。
目的共有の質は、ADL改善、在宅復帰率、再入院防止にも直結します。
明日から実践できるフローを取り入れ、“ズレないチーム”を育てていきましょう。


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