
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、運営戦略について考えましょう。

私たちはリハビリをすればいいんじゃないの?

回復期病棟が直面する課題と、成功施設が採用しているバランス設計の方法について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
回復期リハビリテーション病棟の経営は、患者数や単位提供量だけでは成立しません。
近年、診療報酬制度や働き方改革の影響により、利益構造の可視化と経営指標に基づく運営が求められています。
この記事では、回復期病棟経営の要である損益分岐点・労働分配率・原価算定をわかりやすく整理し、実際に現場が利益体質へ転換するためのヒントを解説します。
回復期病棟における経営指標の重要性と現状課題
回復期リハ病棟は「治療と社会復帰」を担う重要な機能を持つ一方で、収益構造は複雑で、現場理解と経営管理のギャップが生じやすい領域です。
多くの病院では、
- 「患者はいるのに利益が出ない」
- 「単位提供も稼働率も高いのに赤字」
- 「人件費を削るか、採用を止めるかで迷う」
という課題が挙がります。
これは感覚で運営している限り、解決できない問題です。
厚生労働省(2024年医療経済実態調査)によると、回復期リハ病棟は「提供する医療資源量に対し、利益率の差が大きい領域」であり、経営管理能力が利益差を生む構造であることが示されています。
つまり、
回復期病棟運営はリハビリの質 × 経営指標の設計=持続性
と言い換えられます。
主要3指標の理解:損益分岐点・労働分配率・原価算定
利益体質の病棟をつくるには、この3つの指標理解が不可欠です。
📍損益分岐点(Break-even point)
損益分岐点 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
- 固定費=給与・光熱費・減価償却費
- 変動費=材料費・委託費など患者数で変動
損益分岐点の意味はシンプルで、
病棟が赤字にならない最低限の売上ライン
です。
回復期の場合、稼働率・単位獲得数・入院料・加算算定率で大きく変動します。
📍労働分配率(Labor share ratio)
労働分配率=人件費 / 営業利益
(医療経営では収益ベースで算定する場合もあり)
理想値:50〜65%
回復期病棟ではリハスタッフ比率が高い分、労働分配率が70%超になることが珍しくありません。
これは「給与が高い」のではなく、
生産性(提供単位・アウトカム)が低い状態
を意味します。
📍原価算定(Activity-based costing)
原価算定は、
- 1単位あたりのコスト
- 1患者あたりの医療費消費量
- 職種別コスト効率
を算出する手法です。
OECDレベルでは「病院経営に必須」とされ、診療報酬制度に依存しない経営判断基盤として注目されています。
利益が出る病棟の特徴と数値改善の実践方法
経営が安定する病棟には共通点があります。
✔①収益構造をシンプルに可視化している
例:
| 項目 | 月次 | 1人当たり | 1単位当たり |
|---|---|---|---|
| 収益 | 〇円 | 〇円 | 〇円 |
| 原価 | 〇円 | 〇円 | 〇円 |
| 営業利益 | 〇円 | 〇円 | — |
この表があるかどうかで意思決定の質が変わります。
✔②人員配置と単位提供ルールが設計されている
例:
- 新人:マンツーマン+必要単位保証
- 経験者:スケジュール設計権限+回復率評価連動
訓練量だけでなく、ADL効率・退院支援連携が評価対象になる体制が求められます。
✔③ICT・BI(可視化)を活用する
成功例では、
- リハ提供効率
- ADL改善曲線
- 退院可能時期予測
- 稼働率シミュレーション
をシステム上で確認できる仕組みが整っています。
まとめ
回復期病棟経営は、医療の質や単位提供だけでは成立しません。
損益分岐点・労働分配率・原価算定という経営視点が、持続可能な病棟運営の基盤になります。
最も重要なのは数字に振り回されるのではなく、
数字を意思決定に使える仕組みをつくること。
これこそが、回復期病棟が今求められている経営スタイルです。

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