リハビリ管理職が学ぶ「曖昧な時代の羅針盤」:デザイン思考で導く目的志向型リーダーシップ

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もんきち
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みなさん、こんにちは!もんきちです。

今回は、リーダーシップについて考えましょう。

スタッフ
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んー何回も聞いたような・・・

もんきち
もんきち

チームを目的へと導くためには、「問題を定義する力」ではなく、**「意味を見出す力」**が必要になります!このことについて考えてみましょう。

こんな方にオススメ!

  • マネジメント初心者の方!
  • 医療管理職の方

はじめに

リハビリ現場を取り巻く環境は、いままさに“正解のない時代”に突入しています。
人材不足、価値観の多様化、デジタル化の加速——これまでの成功モデルが通用しない中で、リーダーに求められるのは**「曖昧さを受け入れ、チームの方向性を示す力」**です。

そんな中、注目を集めているのが**デザイン思考(Design Thinking)目的志向型リーダーシップ(Purpose-Driven Leadership)**の融合です。
ハーバード・ビジネス・レビューでも「不確実性が高い環境では、論理よりも共感がイノベーションを導く」と指摘されており(Brown, T., HBR, 2008)、このアプローチは医療・リハビリ業界にも大きな示唆を与えています。

リハビリ管理職が、曖昧な状況下でも確かな羅針盤を持ち、チームを目的へと導くためには、
「問題を定義する力」ではなく、**「意味を見出す力」**が必要です。

なぜ「曖昧な時代」にリーダーは迷うのか

リハビリ現場の管理職たちは、日々「正解のない判断」を迫られています。
患者の状態、スタッフのモチベーション、制度の変化——どれもが不確実で、唯一の答えは存在しません。

近年よく耳にする「VUCA」という言葉は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字です。まさに現代の医療・福祉現場を表す概念です。

心理学者ダニエル・カーネマン(2011)は、人間の意思決定が「論理」よりも「直感」に大きく影響されることを指摘しました。つまり、不確実な状況ではデータやマニュアルではなく、意味をどう解釈するかが重要になるのです。

しかし、多くの管理職が「数字で成果を示す」ことにとらわれ、チームの心や価値観のずれを見過ごしてしまいがちです。
この「曖昧さを避けたい心理」こそが、リーダーを迷わせる最大の要因です。


デザイン思考がもたらす“共感”と“再定義”の力

デザイン思考とは、「人を中心に問題を再定義する思考法」です。
IDEO社のティム・ブラウン(2008)は、これを「共感を起点にした創造的な問題解決」と定義しています。

リハビリの現場においても、この考え方は非常に相性が良いと言えます。
たとえば、ある回復期リハビリ病院では、業務効率化を目的にした「報告書簡素化プロジェクト」が、途中で大きな壁にぶつかりました。
スタッフが感じていたのは「便利さ」ではなく、「自分の仕事の意味を失う不安」だったのです。

そこで管理職が行ったのは、アンケートではなく**“共感インタビュー”**。
「なぜ、その報告書を書くことが大切なのか?」というスタッフの声を丁寧に聴き、課題を「書式の多さ」から「仕事の意味の不明確さ」へと再定義しました。
結果、職員満足度は向上し、チームの目的意識も統一されました。

このように、デザイン思考は“課題を再定義する力”を通じて、リーダーに柔軟な視点と共感的な姿勢をもたらします。


目的志向リーダーが育てる「意味ある組織文化」

目的志向型リーダー(Purpose-Driven Leader)は、短期的な成果よりも「なぜこの仕事をするのか」を重視します。
サイモン・シネックの著書『Start With Why』(2011)では、偉大な組織ほど「Why(目的)」から考え、「What(成果)」はその結果として現れると説明しています。

Deloitteの調査(2020)でも、「目的を明確に共有している組織は、従業員のエンゲージメントが4.5倍高い」と報告されています。

リハビリ現場においても、目的志向の導入は単なる理念掲示ではありません。
具体的には、

  • 共感会議:スタッフが患者体験や日常の気づきを共有する場
  • 目的言語化:チームの行動基準を「数字」ではなく「意味」で表現
  • 共有ミーティング:成果よりも「目的との整合性」を評価軸に置く

こうしたプロセスを通じて、組織の中に「共感で動く文化」が芽生えます。
リーダーの役割は、“方向を示すこと”ではなく、“意味を問い続けること”へと変わるのです。


まとめ

曖昧な時代を生き抜くためのリーダーシップは、「正解を知る」ことではなく、「意味を探す」ことから始まります。
デザイン思考がもたらす共感の力と、目的志向が生む方向性の力。
この2つを融合させることで、リハビリ現場のチームは**“数値では測れない一体感”**を取り戻すことができます。

リーダーの真の羅針盤は、外のデータではなく、チーム全員が感じる“なぜ”の共通理解にあります。
デザイン思考と目的志向を軸に、“静かに強い”組織文化を築いていきましょう。

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