
みなさん、こんにちは!もんきちです。
今回は、若手への悩みについて考えましょう。

「最近の若手は受け身で…」

リハビリ現場における“言ってもいい・聞いてもらえる”職場文化のつくり方について考えてみましょう。
こんな方にオススメ!
- マネジメント初心者の方!
- 医療管理職の方
はじめに
「最近の若手は受け身で…」そう感じたことはありませんか?
しかし実際には、多くの若手セラピストは発言したい・成長したいと思っているのです。
問題は、「言っても大丈夫」「聞いてもらえる」と感じられない環境にあります。
心理的安全性の研究(Edmondson, 1999)や自己決定理論(Deci & Ryan, 1985)は、
安心して発言・相談できる文化が、学習とイノベーションを促すことを示しています。
本記事では、リハビリ現場における“言ってもいい・聞いてもらえる”職場文化のつくり方を、
学術的な根拠と実践的なヒントを交えて解説します。
なぜ「言ってもいい職場」が必要なのか?
リハビリ現場では、「若手が何も言わない」「意見を出さない」という悩みを持つ管理職が少なくありません。
しかし、それは“意欲がない”わけではなく、「言っても大丈夫」だという確信がないからです。
心理学者エイミー・エドモンドソン(1999)は、これを「心理的安全性(psychological safety)」と定義しました。
つまり、「チームの中で、自分の意見を述べても非難されない・恥をかかない」という安心感のことです。
この安全性が低いと、
- ミスを隠す
- 質問を避ける
- 振り返りが形骸化する
といった“沈黙文化”が生まれます。
リハビリチームにおいて沈黙は、学びと改善の機会を奪う致命的な要素です。
逆に、自由に意見を出せる職場では、経験知がチームに共有され、患者ケアの質も自然と高まります。
「聞いてもらえる」文化が若手の成長を加速させる理由
若手セラピストが最も成長するのは、「失敗しても、ちゃんと聞いてもらえる」と感じる瞬間です。
心理的安全性に加え、**「傾聴される経験」**が彼らの学習意欲を支えます。
自己決定理論(Deci & Ryan, 1985)によれば、人は「自律性」「有能感」「関係性」が満たされるとモチベーションが高まるとされています。
つまり、上司や先輩がしっかり話を聞き、フィードバックを与えることで、「自分はここで成長できる」という確信が芽生えるのです。
たとえば、ある若手が「患者さんへの声かけがうまくいかなかった」と相談したとします。
その時に、
❌「なんでそうしたの?」ではなく、
⭕「どう感じたの?」「他にやってみたい方法ある?」
と返すだけで、若手は“思考の整理と自己内省”を始めます。
このプロセスこそが、**チーム学習(team learning)**の核です。
つまり、“聞いてもらえる文化”が若手の挑戦を支え、結果的にリハビリの質も向上させるのです。
管理職ができる“言える・聞ける”チーム文化のデザイン
心理的安全性や傾聴文化は「自然発生的」に生まれるものではありません。
管理職が意図的に設計する必要があります。
🔹① 承認+対話の「1on1文化」を導入する
月1回でも、若手の考えを丁寧に聞く時間をつくる。
「結果」よりも「思考過程」を聞く姿勢がポイントです。
🔹② ミーティングに“感情を話す時間”を設ける
業務報告だけでなく、「最近うまくいったこと」「しんどかったこと」を話すチェックイン形式を導入。
これにより、共感と信頼の回路が育ちます。
🔹③ リーダー自身が“弱さ”を見せる
完璧な管理職より、「自分も迷っている」「失敗から学んでいる」と語る方が、チームにリアルな信頼が生まれます。
若手はそれを見て、「このチームなら挑戦できる」と感じるのです。
まとめ
リハビリ現場の「言ってもいい・聞いてもらえる」空気づくりは、
若手の離職を防ぎ、チームの成長を加速させる鍵となります。
心理的安全性と傾聴文化を組み合わせることで、
- 若手が自律的に成長する
- チームが学び続ける
- 患者にとっても安心できるケア環境が生まれる
という“良循環”が起こります。
リーダーに求められるのは、「教える人」ではなく、
「聞いて、共に考える人」への進化です。
その変化こそ、未来のリハビリチーム文化をつくる第一歩です。

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